春休みを帰り道にばら撒いて。
帰り道。主人公は何を思うのか。
とても、美しかった。だから、帰り道は違った。あの道も、この道も。雰囲気というものがまるで違った。もちろん、音なんてしないし、寒いままだ。夜はまだ十分に暗い。
春休みの夜、まさにこのようなものだった。これ以上分かりやすく例えることはできないだろう。語彙がどうであるとか、疲れているとか、そんなものは関係ない。これ以上の表現はできない、のだ。
もちろん、テレビ番組ではないので、帰るところまでがセットだ。
「ワァ~」
なんだか、眠くなってきた。そうだろうな。こんな時間に体動かしたら疲れるから。
「ワァ~」
「ワァ~」
「ワァ~」
あー眠い。とりあえず帰ったら寝るか……ん?
そういえば……
忘れてた。春休みを数えないと。
僕がここにいるのも、きっかけはこれだった。
「バタフライエフェクト」。蝶の羽ばたきがやがて竜巻を引き起こす。つまり、風が吹けば桶屋が儲かるの親戚みたいな。些細なことがやがて大きいことにつながる。ただ、春休みを数えただけなのに、神社まで外出するという大きなことにつながっていた。こんなことあるんだ……
もう、夜は折り返しだ。
「ワァ~」
わかった……速度をすこし上げることにしよう。
このあとどうなるんでしょう。それは、作者も知りません。