第二十二話 合流
シンが目を覚ます
目を擦りながら起き上がるとナルがいない事に気づく
「アリ!ナル知らないか?」
慌ててアリに近づくと無理やり揺すり起こす
「えっ、あっ」
寝ぼけているアリは徐々に自然に戻り
「ナルー」
っと叫び慌てて体を起こす
シンとアリは二人で部屋の中を探すがナルは見当たらない
シンが建物のドアを開けると笑顔になる
「アリー!こっち来て」
アリは急いでシンの元に向かうと
ナルがウルフとくっついてウルフを枕に一緒に寝ていた
シンとアリは目を合わせて2人同時に微笑んだ
◇
「おはようー」
目を擦りながら起きてくるナル
「おはよう!もうビックリしたよ!急にいなくなってるから」
シンが半笑いでナルに言う
ウルフも目を覚ましアクビをしている
「ところでこのウルフどうしたの?」
シンが聞くと
「あっそうだ!聞いて聞いて!ナルね、ボール作れるようになったの」
ボールを作るナルを見て嬉しそうなアリ
ナルがボールを投げると眠そうなウルフが取りに行く
「なるほど」
ウルフがナルに懐いた理由をシンは納得した
◇
ミキタがモニターを見ていた
「ハハハッ!ウルフを仲間にするとは面白い奴だな」
ーーダダッダッ
「ミキタ様」
監視役が近づいてくる
「どうした」
「失礼します。恐らくですが未来を変えている物がしぼれてきました」
「ほう」
「過去のデータを追っていました所、このテストが始まってから現象が始まっておりまして」
「なるほど。この中に世界を変える行動をしてる奴がおると言う事だな」
「おそらく・・・」
悪い顔で頷くミキタ
◇
建物の外にテーブルを出して椅子に座り、ナル達は朝ごはんを食べている
「はいこれっ」
ナルがお肉をウルフにあげると喜んでいる
皆で楽しくご飯を食べながら話をしていると
急にウルフが威嚇したように吠え出す
ーーグううううううう
足音が3人に近づいてくる
ーーガサガサガサ
食事を止め戦闘態勢に入る3人とウルフ
するとそこにシュウサとドンタが走って現れる
「あっ!ナルー」
シュウサが笑顔で叫ぶ
「シュウサー」
シンとアリは力を抜き少し和む
シュウサとドンタが歩いて近づくと
「会いたかったー」
ナルが笑顔でシュウサに抱き着く
シュウサは照れながら
「おい!ハズイからやめろよ!」
「シュウサ聞いて!ナルボール出せるようになったの」
笑顔でシュウサに話すナルを少し寂しそうに見るシン
「お前覚えんのはえーな」
シュウサとナルが見つめ合い笑う
「あっ!この人意地悪な人だ」
ナルがドンタを指差し言う
「おじさんナルになんかしたの?」
シュウサが聞くと
「別に俺はこいつには何もしてねーよ!ところでちょっと休ませてくれ!寝ずに走ったせいか体が限界だ」
「えっ寝ずに走ったの?」
ナルが驚く
「うーーーん」
少し悩んだ後ナルが
「建物の中で休んでいいよ」
と笑顔で言う
シンがナルに
「シュウサはいいけど・・・いいの?この意地悪な奴も?」
「うん」
「まぁ俺は休まなくていいけどおっさん休んできたら?」
シュウサがドンタに言う
「あぁお言葉に甘えて」
ドンタが部屋の方に歩いて行く