第二十一話 ピンチはチャンス
ナルが外に出ると外は真っ暗
シンが作ってくれたボールを持ち考える
《これをイメージだけで形にするって難しすぎ》
悩んだ表情をしながら握ったボールを見る
《お風呂の時に言っていたアリの0から1が初めてできた時の話。子供の時に襲いかかってきたおじさん。その時はできなかったけど創造でそのおじさんをナイフで刺すイメージをして過去の体験を嫌だけどリアルに思いだしたって言ってた。追い込まれたのかな。とりあえずボールをもって練習してた時を思いだして練習しよう》
ナルは目を瞑り、この前出てきたカマキリを仮想の敵にし思い出しす
ナルの目を黒い影が覆う
《あの時はシンがいてアリがいたから・・・一人ならどう戦う?まずは間合いを取る。》
カマキリは威嚇している。右の鎌を振り上げているカマキリ。
《カマキリに近づく》
カマキリは鎌を振りかざしてくる
《やばい!前回と違って相手の目線が散らないから死角がない》
鎌で攻撃され倒れるイメージが頭をよぎる
《駄目だ。目線を散らして死角が欲しい。》
我に返り座り込むナル
《距離をとったのがダメ?いや、いきなりの攻撃は難しい。私はパンチとキックしか今はないから近づかないと攻撃できないし。カマキリが鎌を振り下した後の一瞬のスキに攻撃してみる?》
もう一度想像を始める
近づくとカマキリが鎌を振り下してくる
《よけれる》
集中すると鎌の動きが少し遅くなる
《ここで右足を蹴れれば》
カマキリは反対の鎌を横に振りぬきナルを捉える
《駄目だ。これじゃ死んじゃう。あっボールを使って目線をそらしてみれば》
カマキリとの間合いを取った後、ジャンプしながらボールを地面にたたきつけるイメージをした時、一瞬ボールの創作ができた
《このままいく》
そのボールを地面にたたきつけるとボールはカマキリの顔の方向に飛んでいく
カマキリの顔がボールを追っている一瞬のスキに足元に入り込み足を狙う
《力を抜いて、足をしならせてーーー》
―― グゥー
急に何かの鳴き声が聞こえ我に返る
目を開けると森の奥に大きな目のような物が光っている
《ヤバイ》
森の中から大きなウルフが出できてこちらを威嚇している
《どうしよう。シンを起こしに行く?建物に逃げる?》
建物の方に走っていくナルを高速で追いかけてくるウルフ
《はやい》
建物のドアの前で振り返ると近くにウルフが来ている
「ガウオぉーーー」
大きな声で威嚇しながら牙を見せるウルフ
《やるしかないか》
集中するとナルの目の周りが黒くなる
《ボールをイメージして・・・》
するとテニスボールが右手に創作される
《やった!》
そのボールをウルフに強く投げる
しかしウルフは簡単にボールをよけ、ボールはウルフの後ろに転がっていく
《あっヤバい》
そう思った時、ウルフは尻尾を振りながらボールを追いかけていく
ボールを咥えてナルの元に尻尾を振りながら近づいてくるが、先ほどよりも優しい目をしているウルフ
「あれっ?」
少し笑いが出そうになりながらウルフの持ってきたボールを恐る恐る手に取ると、可愛い目でナルを見るウルフ。
ナルがヨシヨシするとその場に可愛く座り込む
それを見て声を出して笑うナル
「もう一回投げて欲しいの?」
ウルフに言うと目を輝かして頷くウルフ
ナルは少し遠くにボールを投げると、ウルフが起き上がり嬉しそうにボールを追いかけていく
ふと我に返るナル
《あっできてる》
右手を見つめると2個目のボールを作り出すナル
「やったー!」
ボールを取ってきたウルフに抱きつくナル
喜びながら何度もウルフとボール遊びをした。
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