第二十話 創造
【回想】
マーサ達が仕事をしている横でパンチの練習をしているナル
「ナルーちょっと来てくれ」
マーサに呼ばれゴミ山に向かっていく
「これまだ綺麗だし使えるぞ」
マーサはゴミ山で拾った黄色いボールをナルに渡す
「ナル。これを使って練習しなさい。どんな物をどのタイミングで出すのか常に考えて多くのアイデアを貯めておきな」
笑顔で言うマーサ
今までおもちゃなどを貰った事は一度もなく、汚いボールに喜ぶナル
◇
「黄色いボール懐かしいなぁ~」
ナルが思い出しながら笑っている。
《黄色いボールってテニスボールの事かな?》
シンがテニスボールを作り出しナルに渡す
「これこれ」
当時を懐かしむかのようにそのボールを見つめるナル
「まずはこのボールをひたっすら触って、イメージに落とし込んで」
「わかった」
ナルはボールを持ち上げたり上に投げたり右腕から左腕に転がしたりしている
ボールの扱いはすごく慣れている
◇
日が沈み夕焼けが周りをオレンジに染めている
アリは額に汗を流しながらナイフを作っていた
「今日はこの辺で終わろう」
シンが2人に呼び掛ける
地面には1000本近い小型ナイフが作られている
「アリもイイ感じだね。今5秒でしょ?目標はバトルの事も考えて最低3秒かな。また明日朝も頑張ろう」
「うん」
少し笑顔でアリが答える
「ナルはどう」
「イメージして作ろうとして、無理で、またボールで遊んで作ろうとしての繰り返しだけど全然無理」
悲しそうな表情で答えるナル
「まぁ0から1を作るのが1番難しいって言われてるし、そんなもんだよ。今日はゆっくり休もう!」
シンがそう言うと部屋の方に手を向ける
「露天風呂を作ったから二人で入ってくるといいよ」
小屋の横に大きな木の柵で囲われた物が立っている
ナルとアリは走って近づくとドアを開ける
「うわぁ~」
二人は露天風呂に目を輝かせている
◇
ナルとアリは湯船に浸かっている
「気持ちイイね」
ナルが話しかけるとアリが笑顔でうなずく
「はじめて。初めてお風呂の中に入った」
少し照れながらアリが言う
「そっかぁ~気持ちいいよね」
ナルが上を見上げると空には多くの星が輝いている
そんなナルを見てアリも空を見上げる
◇
服を着て、お尻まである濡れた長い髪の毛をタオルで拭きながら歩いてくるナル
後ろにはアリ
「どうだった?」
笑顔で問いかけるシン
「もう最高だったよ!ね?アリ」
「うん」
「タオルまでありがとね」
何もなかった小屋が広くなっており
奥の部屋にはベットが3つと、手前の部屋にはテーブルとイスが用意されていた
テーブルには布が掛けられていてその布をシンがバサッツととる
「点滴でご飯は食べなくても良いんだけど、気持ち的に一応用意した」
少し恥ずかしそうに言うシン
「すごーい」
目を輝かせるナルとアリ
テーブルにはパンやサラダにお肉など多くの料理が並んでいる
3人は笑顔で食事をしながら色々話をする
◇
「こっちのベットは僕が使うから二人はそっちで寝てね」
一つ離れたベットに座るシン
「アリ一緒に寝ようか?」
笑顔で聞くとアリはうなずく
二つのベットを押してくっつけるナル
◇
ベットでナルにくっついて寝ているアリ
ナルは上体を起こしアリの寝顔を見て笑顔になると、ゆっくりベットから下りて外に出る
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