第十一話 50m走③
ドアのランプが青に変わる
それを見てすぐさまドアを開ける
《やばいよ!ドキドキする鼓動が全身から響いてくる!》
ドアを閉めると正面を向き大きく深呼吸するナル
「大丈夫。大丈夫。大丈夫」
《何も発想はない。やり方もわからない。集中してとりあえず走ろう》
スタートラインまで歩いて行く
◇
「ナル!頑張れ!」
シュウサが独り言のように言うとシンも息をのんで見守る
アキは落ち着かない様子
モニターではスタートラインに立った様子が見える
パーーーンとスタートの合図が鳴るとナルはがむしゃらに走り出す
「やっぱりまだ何もつかえないのか」
アキが言うと2人は目をつぶる
すると急にモニターがフリーズする
◇
ナルの前を走っているシミレーションのケント
きれいな走り方で足の回転も速い
《ヤバイ速い!負けちゃう!お願い!!!!!!》
するとナルの目線でケントの動きが急にスローになった。
ナルの目の周りが黒くなる
《あっこれ、いつもの練習の時のやつだ!》
「うわああああああああ」
全力で走るナルはケントを抜きゴールで倒れこむ
5秒22
「はぁよかった」
息が上がった状態で寝転び天を見上げる
◇
モニターのフリーズ後、ナルの仰向けで寝転ぶ姿が映し出されている。
「どうなったんだ」
シュウサがアキに聞くも
「多分ダメだろう」
シンがため息をつき下を向く。
「練習場で教えといたらよかった・・・」
3人ともかなり落ち込んでいる
するとドアが開く。
シュウサが笑顔になり叫ぶ
「ナルーー」
ナルもシュウサのもとに行き抱きつき
「よかったーーー。なんとか勝ったよ!!!」
と満面の笑みで喜ぶ
「お前いけたんだよな?合格だったんだよな?」
興奮気味に話すアキに喜んで泣いているシン。
「お前泣かなくても」
っと笑って言うシュウサ
「これでみんな最初の試験クリアだね」
とナルが言うと3人は笑顔でうなずく。
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