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87話 体育祭が始まるのです。

【毎日昼の12時に更新します】

 



 ■




 そして日が過ぎた。

 その間、通常の授業の他に体育祭に向けての授業や準備も行われ、気がつけば体育祭当日となっていた。




 その朝も俺と恵ちゃんは男子専用の神武寮を出て学校へ向かうのであった。




「いよいよ今日ですね。とっても楽しみですっ!」




 恵ちゃんは妙に張り切っている。




「なあ、ホントに全競技に出場するのか?」




「もちろんですよっ」




 そうなのだ。

 定員オーバーとなった競技のいくつかは、その競技の出場希望者たちで話し合いされて、出る選手の選定を行ったのだが、この恵ちゃんは全競技に出ることになっていた。




「でも、お前だけじゃないんだよなぁ~」




 そうである。

 全競技出場は恵ちゃんだけじゃなかった。

 邪神:辻神(つじがみ)呂姫(ろき)ちゃん、疫病神:山井(やまい)臥留子(ふせるこ)ちゃん、高利貸しの神:金尾(かねお)集子(あつめるこ)ちゃん(元:ジジイ)の三女神も恵ちゃん同様に全種目出場と決まっていた。




「あ、いちおう言っておきますけど、私も含めてこの人選に神力は使ってませんからねっ?」




「それはわかる。

 突然服を脱ぎ始めたり、いきなり裸になっているヤツはひとりもいなかったからな……」




 そうなのだ。

 普段、なにかにかけて神力を使いたがる女神たちだが、この人選にかけては公平に話し合いを行っていた。




 どういう判断基準かわからないが、きっと商品券と言うお金に準じたモノがかかっている場面なので卑怯は良くないと思ったのだろうと俺は考えている。




 ■




 そして神武高校へ到着した。

 正門も競技会場であるグランドもすでに体育祭用に垂れ幕などできらびやかに飾られており、登校してきた生徒たちはもちろん、近隣住民の人たちも楽しみな顔を浮かべて集まってきているのがわかる。




 なので学校とその周辺はちょっとしたお祭り会場になっているとも言えた。

 今の時間でこれだけ集まっているのだから、体育祭が始まるとかなりの人混みになるだろうと予想される。




 その後の教室にてである。

 俺たちはすでに全員体操着に着替えており、ホームルームを待っている。

 すると教室の扉がガラリを開き、今日は体育祭らしく上下ジャージ姿の若杉先生が入って来た。




「特に新しい連絡事項はありません。

 まもなく体育祭が始まるので、みなさんグランドの指定の場所に移動してください」




 その言葉を聞いた俺たちは、「「「「「「おーっ!」」」」」と雄叫びを上げて教室を後にするのであった。




 ■




 そして始まる体育祭。

 校長先生の言葉、生徒会長の言葉、そして商店街の会頭さんの言葉が終わり、開会が宣言された。




 最初の競技は綱引きである。

 競技は一年生、二年生、三年生の学年対抗であることから、総当たりで争い、一勝した学年同士が決勝を行うことになっている。




「優勝は十万円ですよっ、十万円っ!」




 恵ちゃんは意気揚々と出場選手の控え場所へと向かう。




「ふぉふぉふぉ。だがのう、団体競技は勝者チームに対して十万円だからのう。一学年三クラスで割ると一人当たり千円程度じゃがな。ふぉふぉふぉ」




 集子ちゃんが適切な解説をする。




「いいのよ。それでも商品券はもらえるんだから。千円とゼロじゃ全然違うわ」




 呂姫ちゃんが嬉々として感想を述べる。確かにその意見は正しい。




「……塵も……積もれば……山となる……呉服……欲しい」




 臥留子ちゃんも前向きな言葉を述べて、控え場所へと向かって行くのであった。




 


よろしければなのですが、評価などしてくださると嬉しいです。



私の別作品


「生忌物倶楽部」連載中


「夢見るように夢見たい」連載中



「四季の四姉妹、そしてぼくの関わり方。」完結済み


「固茹卵は南洋でもマヨネーズによく似合う」完結済み


「甚だ不本意ながら女人と暮らすことに相成りました」完結済み


「墓場でdabada」完結済み 


「甚だ遺憾ながら、ぼくたちは彼の地へ飛ばされることに相成りました」完結済み


「使命ある異形たちには深い森が相応しい」完結済み


「空から来たりて杖を振る」完結済み


「その身にまとうは鬼子姫神」完結済み


「こころのこりエンドレス」完結済み


「沈黙のシスターとその戒律」完結済み



 も、よろしくお願いいたします。

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