82話 GW明けなのです。
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そんなこんなで俺たちの林間学校、つまり研修は終わったのだった。
その後、四月が終わりゴールデンウィークで学校が長期休みとなり、それが明けた五月の頃だ。
気持ちの良い晴れ間。爽やかな風。目にも鮮やかな新緑と言う一年でいちばん過ごしやすい季節になっていた。
「今日もいい天気ですねっ」
男子専用の神武寮から俺と恵ちゃんが学校に向かうのに誰もがおかしさを感じていない。これはもちろん恵ちゃんの神力がさせる技だ。
「来月になれば梅雨になるし、暑くなるから、それを思うと憂鬱ではあるな」
俺もそんな返事をしながら神武高校へと向かったのであった。
今日は月曜日だ。
週の始めなので授業前に長めのホームルームがあるのだが、まだ担任の若杉先生は姿を見せていない。
「おはよう。加茂くん、神子恵」
そう言って朝の挨拶してきたのは邪神:辻神呂姫ちゃんだ。
肩にかかるかかからないかのショートボブの金髪で、青い目の少女である。
日本の美少女に制服はもちろん似合うと思うのだが、学校の制服そのものが英国の伝統の輸入だからなのか、白人の容姿の呂姫ちゃんの制服姿の美しさはまさに完璧で、思わず見惚れてしまう。
そして日本の少女にはあまり見られない爆発しそうな程のラージサイズな胸が制服を押し上げているのも、思わず目が吸い寄せられてしまう美点だ。
「……大吉さん。……なんかさっきから私の制服姿と呂姫ちゃんを見比べていませんかっ?」
ささやかなサイズの恵ちゃんが、かなり不満そうに口をとがらせている。
「何度も言いましたけど、私だってサイズを大きくすることはできるんですからねっ!」
「……それは体全体のバランスを欠くからしないと言ってなかったか?」
「そ、そうなんですけどっ! あんまりあからさまだと張り合いたくなっちゃうんですっ!」
そんなしょうもない会話をしていると今度は疫病神:山井臥留子ちゃんがやって来た。
「……おはよう……。今日も……いい……天気ね」
転校の挨拶のときに宗教上の理由から制服が着られないと言っていた謎理由の言葉どおりに臥留子ちゃんは制服を着ておらず、和服姿である。
今日は緋色の花が全身に染め上げられた着物姿だった。
だが似合っている。
漆黒の長髪に姫カットの前髪。恵ちゃんよりもあるけどサイズ的にはささやかな胸のバランスを考えると制服よりも着物の方がベターな感じは確かにする。
そしてあいも変わらずテンションが低い。エンジンで言ったらアクセルを踏んでいないアイドリング状態と言えばいいんだろうか。
そして澤井さん、河合さん、更には新井も挨拶をしてきたのであった。
「加茂くん、神子さん、おはようございます」
「加茂くん、恵ちゃん、おはよう」
「加茂くん、神子さん、そして辻神さん、山井さんもおはよう」
と言った感じだった。
それからしばらくすると若杉先生がやっと教室に現れた。
時計を見るとホームルーム開始時刻から十分過ぎていた。なにか問題でも起きたのだろうか?
よろしければなのですが、評価などしてくださると嬉しいです。
私の別作品
「生忌物倶楽部」連載中
「夢見るように夢見たい」連載中
「四季の四姉妹、そしてぼくの関わり方。」完結済み
「固茹卵は南洋でもマヨネーズによく似合う」完結済み
「甚だ不本意ながら女人と暮らすことに相成りました」完結済み
「墓場でdabada」完結済み
「甚だ遺憾ながら、ぼくたちは彼の地へ飛ばされることに相成りました」完結済み
「使命ある異形たちには深い森が相応しい」完結済み
「空から来たりて杖を振る」完結済み
「その身にまとうは鬼子姫神」完結済み
「こころのこりエンドレス」完結済み
「沈黙のシスターとその戒律」完結済み
も、よろしくお願いいたします。