73話 臥留子ちゃんの豹変なのです。
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破綻しなければいいのですが……。
「……ったく。なにをワタクシにさせようと思ったら、まさかの痴態。よもやの全裸。嫁入り前の身だというのに、あまりもの仕打ち。
おのおの方、覚悟の上の振る舞いですこと?」
――だ、誰だ?
こんな口調でハキハキと話す人物を俺は知らない。
なので慌てて振り返ると意外な人物がその正体だった。
――山井臥留子ちゃんだった。
出会ったときからさっきまでの、どこかぼんやりとしていて心ここにあらずと言った雰囲気が一変していて、キレッキレのアクティブな状態になっているのだ。
さっきまで定まらなかった視線も、今は力強いものに変化してまっすぐに恵ちゃんと呂姫ちゃんを見据えている。
「た、大変ですっ! 逃げなきゃですっ!」
「か、覚醒したっ! まずは撤退っ!」
息もぴったりに恵ちゃんと呂姫ちゃんが向こうに向かってダッシュした。
だが十歩も駆けぬうちに、ヒャ~ッ! と叫び声を上げて立ち止まる。
見ると恵ちゃんも呂姫ちゃんもジャージも下着もなくなっていて素っ裸になっていた。
二人とも右手で胸を隠し、左手で下を隠している。
……隠しているのだが、すべてがミニマムな恵ちゃんは両手でしっかり隠せているのに対してすべてがボリューミーな呂姫ちゃんは、わずかでも腕を動かしたらはみ出しそうになっている。
……うぐぐ。
俺は思わずのけぞってしまった。
これは威力があり過ぎる。
「フン。いい気味ですわ。本来ならばワタクシに対しての振る舞いを差し引けば、もっと辱めを受けても当然ですが、そちらは二人分という事でサービスして差し上げますわ」
勝ち誇ったかのように臥留子ちゃんの呟きが聞こえる。
「悪かったですっ。謝るのですっ!」
「謝罪するから、なんとかして~」
恵ちゃんと呂姫ちゃんの悲鳴が聞こえる。
どうやら臥留子ちゃんの神力に対しては対抗できないようだ。
そんなときだった。
「……ねえ、よく見れば。加茂くんっていいわ。
頼りなさげで庇護欲がかられるわ……」
口調が変わった。
キレッキレから妙に熱っぽいしなだれ口調へと臥留子ちゃんの言葉遣いが変化しているのであった。
よろしければなのですが、評価などしてくださると嬉しいです。
私の別作品
「生忌物倶楽部」連載中
「夢見るように夢見たい」連載中
「四季の四姉妹、そしてぼくの関わり方。」完結済み
「固茹卵は南洋でもマヨネーズによく似合う」完結済み
「甚だ不本意ながら女人と暮らすことに相成りました」完結済み
「墓場でdabada」完結済み
「甚だ遺憾ながら、ぼくたちは彼の地へ飛ばされることに相成りました」完結済み
「使命ある異形たちには深い森が相応しい」完結済み
「空から来たりて杖を振る」完結済み
「その身にまとうは鬼子姫神」完結済み
「こころのこりエンドレス」完結済み
「沈黙のシスターとその戒律」完結済み
も、よろしくお願いいたします。