70話 折り返し地点なのです。
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邪神登場以降すべて書きながらのアイディアで書いています。
破綻しなければいいのですが……。
「驚いたわよね~?」
「びっくりしたよ」
ついさっきまでの下着姿での俺への行いをまったく憶えていない澤井さんと河合さんが会話をしている。
二人の会話をまとめると恵ちゃんに驚かされたことになっているようだ。
「あの神子さん、すごかったわ。あんな特殊メイクできるのね?」
「リアルだったよ。マジに驚いたもん」
どうも恵ちゃんはすごい格好で登場したように思われているようだ。
もちろんすべて神力による記憶改竄に違いない。
ちなみにその格好とは、頭は陥没していて血まみれで首から下の身体はすべて骸骨だったようだ。
そして骨をカタカタ鳴らして、走り寄ってきたらしい。
俺には見えなくて幸いだった。
そんなモノを見てしまったら三日三晩うなされていたに違いない。
■
その後しばらくはなにもなかった。
やがて折り返し地点に到着し、今来た道を戻るだけとなった。
「……またあるんだろうな……」
俺は憂鬱な気分になる。
ここが折り返しと言うことは、また驚かされることになるからだ。
ただどこかで安心している部分もある。
行きに呂姫ちゃんと恵ちゃんに驚かされたことになるが、俺はそのお化け姿を見ていないし記憶もしていない。
見たのは澤井さんと河合さんの全裸と下着姿だけだ。
……後は俺も裸にされたが……。
なのでお化けは見ていない。
これは澤井さん、河合さん、新井には言えないが、怖い思いはしていないのだ。
なのでこれだけは安堵できる材料だ。
つまり、帰りも同じなんじゃないかと思えているのだ。
「じゃあ引き返すよ」
「そうね」
河合さんと澤井さんがそんな会話をして、俺たち四人は着た道を戻り始めた。
そこで俺はふと思い出すことがあった。
……あれ? 臥留子ちゃんはどうしたんだ?
そうなのだ。
山井臥留子ちゃんも肝試し係なのだ。
だが彼女は行きには登場しなかった。
だとすると帰りに登場するつもりなんだろうか……?
そんな疑問を持ちつつも俺は三人に付いて歩くのであった。
そしてしばらく歩いたときだった。
「……なにかいるわよ」
「……いるね」
先頭を歩く澤井さんと河合さんが、そんな不吉な言葉を発したのであった。
よろしければなのですが、評価などしてくださると嬉しいです。
私の別作品
「生忌物倶楽部」連載中
「四季の四姉妹、そしてぼくの関わり方。」完結済み
「固茹卵は南洋でもマヨネーズによく似合う」完結済み
「甚だ不本意ながら女人と暮らすことに相成りました」完結済み
「墓場でdabada」完結済み
「甚だ遺憾ながら、ぼくたちは彼の地へ飛ばされることに相成りました」完結済み
「使命ある異形たちには深い森が相応しい」完結済み
「空から来たりて杖を振る」完結済み
「その身にまとうは鬼子姫神」完結済み
「こころのこりエンドレス」完結済み
「沈黙のシスターとその戒律」完結済み
も、よろしくお願いいたします。




