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65話 臥留子ちゃんは苦手なのです。

【毎日昼の12時に更新します】



この作品はプロットなしで書いています。

邪神登場以降すべて書きながらのアイディアで書いています。

破綻しなければいいのですが……。



 


山井(やまい)さん、急で悪いんだけど、山井さんも肝試し係をやってもらえる?」




 河合さんがそう提案した。




「……わかった……。肝試し……係……ね? ……がんばる……」




 そう臥留子(ふせるこ)ちゃんは返事した。

 か細い声なので意識していないと聞き逃してしまいそうだ。




「なあ、質問があるんだが?」




 俺は並んで立って臥留子ちゃんの様子を見ていた恵ちゃんと呂姫ちゃんに声をかけた。




「なんですかっ?」

「なに?」




 二人は同時に答えて俺を見た。

 それの方が俺には都合が良いので、そのまま二人に話しかける。




「臥留子ちゃんはどっからから現れたんだ?」




 すると二人は同時に自分たちの背後を指さした。

 息ぴったりの動作だが、それを指摘すると互いに口喧嘩が始まりそうなので、それは黙っておく。




「……なるほど。あの祠か……」




 俺たちがこの公民館跡に到着したときに、恵ちゃんと呂姫ちゃんが見つけたグランドの隅にある大きな木の根本にあった傾いた苔むしている石の祠のことだ。




 あのときは神様は外出中で正体はわからないとの話だったけど、それが疫病神:山井(やまい)臥留子(ふせるこ)ちゃんだった訳だ。




 なんでこんな廃村の祠に……?

 と、一瞬思ったけど臥留子ちゃんは疫病神って話だ。きっとそこらが理由な気がする。



 ……しかしだ。

 子宝の神である恵ちゃんも都市部とは言え、デパートの建物の隅っこに祀られていた。

 なんかそれを考えると臥留子ちゃんも疫病神と言うだけじゃなくて、ダメダメ女神なのかもしれないな。



 俺がそんな物思いにふけっているときだった。




「……私も……あなたたちと同じ……肝試し係……よろしく……」




 いつのまにか河合さんとの話を終えた臥留子ちゃんが俺たちの元にやって来ていたのだ。



「よ、よろしくだねっ」

「え、ええ。よろしく」




 恵ちゃんと呂姫ちゃんが若干引き気味に返答した。




「……また……三人で……いっしょ……私は嬉しい……嬉しい……?」




「う、嬉しいですよっ……」

「ええ、またいっしょね。何百年ぶりかしら?」




 ……どうも、恵ちゃんと呂姫ちゃんは臥留子ちゃんが相当苦手な様子に見えた。




 ■




 それからだ。

 恵ちゃんたち肝試し係の連中は地図と資材を手に森へと入って行った。

 これからいろいろ仕掛けをするらしい。



 そしてそれ以外の俺たちはめいめいに時間を過ごすこととなった。

 俺は部屋に置いてあった将棋を見つけたので新井と対戦していた。



 澤井さんと河合さんはあちこちに出かけておしゃべりをしているみたいだった。

 そして当然、恵ちゃんがいないので澤井さんや河合さん、若杉先生が俺に色仕掛けをしてくることもなかったので、俺は平穏な時間を過ごせることに安堵していたのであった。



 


よろしければなのですが、評価などしてくださると嬉しいです。


私の別作品

「生忌物倶楽部」連載中


「四季の四姉妹、そしてぼくの関わり方。」完結済み

「固茹卵は南洋でもマヨネーズによく似合う」完結済み

「甚だ不本意ながら女人と暮らすことに相成りました」完結済み

「墓場でdabada」完結済み 

「甚だ遺憾ながら、ぼくたちは彼の地へ飛ばされることに相成りました」完結済み

「使命ある異形たちには深い森が相応しい」完結済み

「空から来たりて杖を振る」完結済み

「その身にまとうは鬼子姫神」完結済み

「こころのこりエンドレス」完結済み

「沈黙のシスターとその戒律」完結済み


 も、よろしくお願いいたします。

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