63話 性癖です。
【毎日昼の12時に更新します】
この作品には以降のストックがありません。
そのため書き上げてからの投稿となるので一日一回の更新となります。
すみませんが、よろしくお願いいたします。
ここに至ってはっきりしたことがある。
それは澤井さんや河合さん、呂姫ちゃん、そして恵ちゃんの水着化は百パーセントの確率で神力が原因だと言うことだ。
眼の前で登山服がいきなり水着になったこともそうだし、その魔法のような現象自体に疑問を持つ者たちが誰一人いないからだ。
「はう……。痛いですっ」
「お、おう。……痛いよ」
俺はスク水姿の恵ちゃんと大胆ビキニ姿の呂姫ちゃんに手刀を落とした。
二人とも脳天に両手を乗せて涙目だった。
「やり過ぎだ。所構わず神力を使うな」
だが俺のこの行為に二人とも反論する。
「でもっ! 大吉さん、興奮しましたよねっ!
スタイルの良い呂姫ちゃんなら、それもありかと思いましたけど、このビキニ姿の呂姫ちゃん見て、興奮してますよねっ!」
「加茂くん。正直に答えてよね?
幼い容姿の神子恵を見て、ちょっとときめいたでしょ? スク水、ホントは好きなんでしょ! 隠されていたロリ心が刺激されちゃったんでしょ! それって性癖だよねっ?」
「……ぐぐぐ」
真っ赤なハイレグのビキニ姿で水着から胸が零れ落ちそうな呂姫ちゃんを見てしまって興奮してしまったのは否定できない。
……だが、4年2組の恵ちゃんのスク水にロリ心が刺激されたと言うのは否定したい。
なぜって? それは犯罪だから。
俺は至ってノーマルのはずだ。だからあくまで恵ちゃんにスクール水着が想像以上に似合っていたので、びっくりした範疇に過ぎない。
「そ、それでもだ。山頂で水着は、やり過ぎだ。早く元の服に戻せ」
俺がそう言うと、恵ちゃんと呂姫ちゃんは渋々と言った様子でそれぞれの水着、そして澤井さんと河合さんの水着を元の登山服姿に戻すのであった。
「……知らなかったよ。
山で食事の食べ残しなんかを置き去りにすると、カラスなどの里の鳥たちがやって来てしまうことで、元々住んでいた鳥たちが追いやられてしまって生態系が崩れてしまうんだね。
これは気をつけないと……」
新井が意味のわからんことを言う。
たぶんこれも風呂場での会話と同じで、俺と女神たちの会話がそう聞こえたんだろう。
そして多分記憶も改竄されていて、女性たちが水着姿だったことも覚えていないに違いない。
それから俺たちは昼食を挟んで下山することになった。
時刻はまだ早いが、今夜には肝試しがあるのでその準備に時間がかかるためだ。
……でもそこで新たな事件が起こることを俺はまだ知らなかった。
よろしければなのですが、評価などしてくださると嬉しいです。
私の別作品
「生忌物倶楽部」連載中
「四季の四姉妹、そしてぼくの関わり方。」完結済み
「固茹卵は南洋でもマヨネーズによく似合う」完結済み
「甚だ不本意ながら女人と暮らすことに相成りました」完結済み
「墓場でdabada」完結済み
「甚だ遺憾ながら、ぼくたちは彼の地へ飛ばされることに相成りました」完結済み
「使命ある異形たちには深い森が相応しい」完結済み
「空から来たりて杖を振る」完結済み
「その身にまとうは鬼子姫神」完結済み
「こころのこりエンドレス」完結済み
「沈黙のシスターとその戒律」完結済み
も、よろしくお願いいたします。