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57話 神々の攻防です。

【毎日昼の12時に更新します】



この作品には以降のストックがありません。

そのため書き上げてからの投稿となるので一日一回の更新となります。

すみませんが、よろしくお願いいたします。



この物語は毎話毎話が短いです。

それは4コマ漫画のようなテンポの良さ、余韻を全面に打ち出しているからです。

……決して、私の手抜きではありません。

……きっと。




 


 そして俺も新井が姿を消した男用寝室へと向かおうとしたときだった。

 俺の前を呂姫ちゃんが割り込みそのまま寝室の扉を開けようとしたからだ。




「ちょっとなにするつもりなんですかっ! 邪神の呂姫さんっ!」




 俺がなにかを言おうとする前に恵ちゃんが飛び出して呂姫ちゃんの前で両手を広げて通せんぼしたのだ。




「なにって? これから私は慎一くんと愛を語らおうとつもりなの。

 ()()()()()をするなんて野暮にも程があるわよ?」




「ダメです。だったらなおのことここを通せませんっ!」




「おかしなことを言うのね? あなたは子宝の神なんだから男女が仲良くするのは本望じゃないの?」




「それがふつうの男女なら大歓迎ですっ! でも邪神が孕むことは子宝とは言いませんっ。私の神力を使ってでも絶対に回避しますっ!」




「ちっ!」




 恵ちゃんの不退転の決意に呂姫ちゃんは舌打ちする。

 心底悔しそうな表情を浮かべているのを見ると、きっとこのまま強引に新井と呂姫ちゃんが二人きりになって呂姫ちゃんの思い通りにならないのだろう。




 たぶんだが、恵ちゃんの神力で例え二人の会話が弾んでも互いの気持ちが高まらないとかで仲が進展しないような効果が発揮されるんだろうなと想像できる。




 そんなときだった。




「神子さんと辻神さん、今からなにを騒いでいるの? 私たちの目の前で明日の肝試しの内容を話しちゃっていいのかしら?」




「そうそう。唐傘お化けやろくろっ首の作成方法とか設置場所とかネタバレされちゃ興ざめになっちゃうよ?」




 澤井さんと河合さんがそう発言したのだ。




 どうやらこれも女神たちの神力で、今の恵ちゃんと呂姫ちゃんたちの会話内容が明日の夜に行われる肝試しに関する打ち合わせに聞こえているようだ。




「……それはともかく。……私、いきなり眠くなってしまったわ。

 申し訳ないけど先に寝かせてもらおうかしら」




「ふわああ。……私もなんだか急に眠気に襲われたよ。

 悪いけど、先に寝るね」




 澤井さんも河合さんもいきなり寝ると言い出して、ドライヤーなどの片付けもそこそこに女子用の寝室に向かって歩き出したのである。




「神子恵。……神力使ったわね?」




「使いましたよ。でもこれは子宝の神として正しい使い方ですっ!

 さあ、大吉さん。これで遠慮なく女子の部屋に行って澤井さんと河合さん相手に子宝を励んでくださいっ!」




 俺は手を振り上げた。

 そして手刀を恵ちゃんに落とそうとする。

 恵ちゃんは、ハッとなり俺の行動に気がついて両腕をクロスさせて手刀を防ごうとする。



 そんなときだった。




「……変ね。急に目が覚めてしまったわ。まだ起きていたい気分よ」




「……おかしいな。私もすっかり眠気が消えたよ。お茶でも飲もうかな?」




 寝室へと向かっていた二人がくるりと方向転換して今まで腰掛けていたソファへと戻ってきたのである。




 


よろしければなのですが、評価などしてくださると嬉しいです。


私の別作品

「生忌物倶楽部」連載中


「四季の四姉妹、そしてぼくの関わり方。」完結済み

「固茹卵は南洋でもマヨネーズによく似合う」完結済み

「甚だ不本意ながら女人と暮らすことに相成りました」完結済み

「墓場でdabada」完結済み 

「甚だ遺憾ながら、ぼくたちは彼の地へ飛ばされることに相成りました」完結済み

「使命ある異形たちには深い森が相応しい」完結済み

「空から来たりて杖を振る」完結済み

「その身にまとうは鬼子姫神」完結済み

「こころのこりエンドレス」完結済み

「沈黙のシスターとその戒律」完結済み


 も、よろしくお願いいたします。

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