56話 邪神の宣戦布告です。
【毎日昼の12時に更新します】
この作品には以降のストックがありません。
そのため書き上げてからの投稿となるので一日一回の更新となります。
すみませんが、よろしくお願いいたします。
この物語は毎話毎話が短いです。
それは4コマ漫画のようなテンポの良さ、余韻を全面に打ち出しているからです。
……決して、私の手抜きではありません。
……きっと。
「……な、なんなんですかっ? その不気味な笑いはっ?」
恵ちゃんが呂姫ちゃんに問う。
「フッフッフッ。……私の役目は他の神の行いを邪魔すること。
それを行おうと思ってね」
「ああっ! いよいよ邪神の本心が出ましたねっ!
さては私の大吉さんハーレム計画を邪魔する気ですねっ! ひどいですっ!」
恵ちゃんが猛然と抗議する。
「だってそれが私の存在理由よ? 仕事なのよ? あなたの子宝と同じだから」
「だからと言ってなんでもかんでもすべてひっくり返すつもりですねっ?」
「そこまでするつもりはないわ。ちょっと足を引っ張ろうとするだけよ」
「うぐぐ……」
謎の笑みを浮かべる呂姫ちゃんと、ぐぬぬと唸る恵ちゃんだった。
「……食後の血糖値を上げすぎないためには野菜から食べると良いなんて知らなかったよ。僕のお父さんは血糖値が髙いとお医者さんに言われているから、帰ったら伝えてみるよ」
どこまでも会話の蚊帳の外に置かれている新井だった。
■
入浴後は特になにもなかった。
当初の恵ちゃんの悪しき計画では、澤井さんと河合さんと若杉先生が全裸で風呂場に登場する予定だったようだが、俺にとっては幸いにも呂姫ちゃんが阻止してくれた形になったので困ることはない。
そして部屋に戻るとすでに男女共通のリビングには澤井さんと河合さんの湯上がりの姿があった。
服装は楽なスウェット上下で髪の毛をドライヤーで乾かしていたのだ。
「あら? 神子さんと辻神さんもお風呂上がりね? 女湯で見かけなかったけど?」
澤井さんが当然の疑問を提示してきた。
だがそこに俺と新井といっしょに戻って来たことに対する疑問――混浴していたこと――は感じていないようだった。
当然だ。
そんなだいそれたことをするとは露ほども思っていない様子なのは表情を見ればわかる。
「ちゃっちゃと入って、ちゃっちゃ出ちゃったからですっ」
恵ちゃんがもっともらしい嘘をつく。
「なるほどね。どうりで見かけなかったはずだよ」
河合さんも納得してくれた様子だった。
時計を見ると午後十時近い。
そろそろ消灯時刻であった。
「ふわあ……。ごめん。とても眠いんだ。僕は先に寝るよ」
どこかデジャヴュ感がある発言を新井がしたのであった。
そして男子用の寝室へと姿を消す。
「俺も寝ようかな?」
俺も新井同様に髪の毛は短めなので、別にドライヤーで乾かす必要はない。
だからそのまま寝ても問題はないのだ。
よろしければなのですが、評価などしてくださると嬉しいです。
私の別作品
「生忌物倶楽部」連載中
「四季の四姉妹、そしてぼくの関わり方。」完結済み
「固茹卵は南洋でもマヨネーズによく似合う」完結済み
「甚だ不本意ながら女人と暮らすことに相成りました」完結済み
「墓場でdabada」完結済み
「甚だ遺憾ながら、ぼくたちは彼の地へ飛ばされることに相成りました」完結済み
「使命ある異形たちには深い森が相応しい」完結済み
「空から来たりて杖を振る」完結済み
「その身にまとうは鬼子姫神」完結済み
「こころのこりエンドレス」完結済み
「沈黙のシスターとその戒律」完結済み
も、よろしくお願いいたします。