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53話 女神同士の思惑の違いなのです。

【毎日昼の12時に更新します】



この作品には以降のストックがありません。

そのため書き上げてからの投稿となるので一日一回の更新となります。

すみませんが、よろしくお願いいたします。



この物語は毎話毎話が短いです。

それは4コマ漫画のようなテンポの良さ、余韻を全面に打ち出しているからです。

……決して、私の手抜きではありません。

……きっと。




 


 俺がそう言って湯船から立ち上がろうとしたときだった。




「……加茂くんが出るなら僕も出るよ。後は女の子二人で使ってよ」




 そう言って新井も立ち上がろうとした。

 考えてみれば、それはそうだろう。




 自分一人残されて、女の子二人と混浴していたのがバレたらそれは罪だ。

 逃げようとして当然だ。




「じゃあ」




 俺と新井は視線を交わす。

 そして二人で湯船から出ようと足を持ち上げた。




 そのときだった。




「ダメですっ。大吉さんは、いてくださいっ!」

「ダメよっ。慎一くんは出ちゃダメよっ!」





 非常に強い口調で恵ちゃんと呂姫ちゃんが同時にそう告げた。

 そして二人とも両手で俺たちを押し戻すのだ。




「「えっ?」」




 俺と新井は仕方なしに湯船に戻って、浸かる形になったのだが、それだけじゃなかった。

 いつのまにかバスタオルを外した恵ちゃんと呂姫ちゃんが俺たちの真横で風呂に浸かっていたのだ。




 俺の右横には恵ちゃん、そして左は新井でその向こうが呂姫ちゃんと言う横一列と言った配置だった。




 おれはなるべく右を見ないように努めた。

 いくら見た目十三歳くらいとは言え、少女が全裸で入浴しているのだ。

 凹凸がないからと言って罪にならない訳じゃない。




 ……見てしまったらロリコン。見てしまったらロリコン……。




 俺は念仏のようにそう心の中で念じながら目をつぶって瞑想をする。

 そうでないと見るだけじゃなくて別の部分にも変化が起こったら大変だからだ。

 なんせ、新井の向こうとは言え抜群プロポーションの呂姫ちゃんまで風呂に入っているからだ。




「……でもなんで加茂くんまでいるの? 私、そういう風にした憶えないんだけど?」




 これは呂姫ちゃんが新井、俺を飛び越えて反対側の端にいる恵ちゃんにした質問だ。




「それは私のセリフですっ。私も新井さんを呼んだ覚えはありません。

 確かに新井くんには効きづらいですが眠ってもらうようにしたはずですっ」




「なんですって? 私は加茂くんに寝てもらうように術を使ったはずで、慎一くんと二人きりにする予定だったんですけど!」




 ……ははあ、なるほどな。




「……要するにアレか? 恵ちゃんも呂姫ちゃんも神力を使ったんだが、互いに逆効果の神力だったんで、相殺されてしまったってヤツか?」




「スルドイですっ。大吉さんっ」

「見事な推理ね、加茂くん」




 右横の恵ちゃんと左奥の呂姫ちゃんが感心したかのように言う。

 だが別に嬉しくないぞ。




 するとすぐ左で肩まで浸かっている新井は首だけ俺に向けて驚いたように言う。




「加茂くん、頭良いんだね。びっくりしたよ」




 そんなことを言ってくるのだ。

 そこで俺はしまったと思った。




 二人の女神が平気で神様としての会話をしていることから、俺も気にせず()()()()()()()()()()()()()()




 これを新井にはどう説明したらいいのかだ。

 恵ちゃんが子宝の神、呂姫ちゃんが邪神だと教えてしまってもいいのだろうか、迷ったのだ。




 だが新井の会話は予想だにしない方向へと進んだ。




「まさかミンククジラが増えるとシロナガスクジラが生きていけないなんて知らなかったよ。セミクジラの生態も知らなかったし」




 ……こいつはなにを言ってるんだ?

 俺は真顔でクジラの話をしている新井のことを訝しげに見たのであった。




 


よろしければなのですが、評価などしてくださると嬉しいです。


私の別作品

「生忌物倶楽部」連載中


「四季の四姉妹、そしてぼくの関わり方。」完結済み

「固茹卵は南洋でもマヨネーズによく似合う」完結済み

「甚だ不本意ながら女人と暮らすことに相成りました」完結済み

「墓場でdabada」完結済み 

「甚だ遺憾ながら、ぼくたちは彼の地へ飛ばされることに相成りました」完結済み

「使命ある異形たちには深い森が相応しい」完結済み

「空から来たりて杖を振る」完結済み

「その身にまとうは鬼子姫神」完結済み

「こころのこりエンドレス」完結済み

「沈黙のシスターとその戒律」完結済み


 も、よろしくお願いいたします。

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