529話 スケルトン・メイドの登場なのです。
基本二日置きの更新(18時)とさせて頂きます。
どうぞよろしくお願いいたします。
こうしてすべてのスケルト・ナイトを倒した俺たちは作戦会議を開くことにした。
俺もメグミもロキも受けたダメージはすっかりなくなり自由に動き回れる状態になったからだ。
「これからだが、上の階に向かうより奥の通路を調べた方がいいと思う」
「そうですねっ。この1階を隈無く調べて違う階に向かった方が無駄が少ないと思いますっ」
「そうね。……ひょっとしたら地下室とかがあるかもしれないわ」
「ふぉふぉふぉ。そうじゃのう。……もしかしたら攫われた姫が地下牢にいるかもしれんしのう」
そうなのだ。
俺たちは王女様は最上階か地下に囚われている可能性が高いと判断したのだ。だとしたらまずはこの階と地下へ通じる通路があるかどうかをはっきりさせないとならない。
なので俺たちは戦闘が行われた玄関ホールの奥を目指す。吹き抜けの2階へと登る赤絨毯の階段の脇を通り、1階奥に通じる廊下を進んだのだ。
「ここは食堂のようだな」
俺は廊下の脇にある部屋の扉を開けて中を確認した。そこは広い部屋で大きく長方形の長テーブルがいくつか置かれていたのだ。
椅子の数も多く、ざっと100人以上が食事できる広さがあったのだ。
「まあ、城ですからねっ。こんな大広間が必要なんでしょうねっ」
いちおう俺たちは食堂の中へ入ってみた。だが魔物の姿はなく、宝箱のようなものも見つからなかった。
そして廊下を更に進んだ。
途中、厨房とか大浴場とかもあったが魔物も宝箱も見当たらない。
そしてそんなときだった。
「待って。なにか近づいて来るわ」
先頭を歩いていたロキが廊下の奥を指さしたのだ。
それは集団だった。距離が縮まるにつれその様子が明らかになる。
「メイドだな」
「メイドさんですねっ」
「確かにメイド服を着ているわ。……でも頭が……」
「骸骨じゃのう」
そうだった。
近づいて来る集団は紺地の白エプロンのメイド服をびっしりと着込んだ骸骨だったのだ。
「ああっ。表示が出ましたっ。スケルトン・メイドですっ」
俺のウィンドウにも同じ表示が出た。間違いなく魔物の集団だ。その数10。
「でも、メイドがどうやって戦うのかしら?」
「ふぉふぉふぉ。そうじゃのう。……おや、手になのか持っているのう」
言われて確認する。するとスケルトン・メイドたちは手に銀色の平たい丸いものを各自が持っているのがわかった。
「あれ、お盆ですよねっ」
「そうだな。給仕するときに使うお盆に見えるな」
確かに銀色に光る丸いお盆だ。
そして距離が更に縮まった瞬間だ。なんとスケルト・メイドたちは一斉にお盆を俺たちに向かって投げてきたのだ。
お盆はフリスビーのようにふわりと浮きながら、勢いよく飛んでくる。あれに直撃したら相当のダメージを負うだろう。
「避けろっ!」
俺がそう叫ぶとメグミ、ロキ、アツメルコはさっと散る。なんとかお盆攻撃は避けられるのであった。
だが、攻撃はそれだけではなかった。なんとスケルトン・メイドたちは駆け足で俺たちに迫って来たのであった。
スケルトン・メイドの登場なのです。(`・ω・´)∩
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