525話 一対一の戦いなのです。
基本二日置きの更新(18時)とさせて頂きます。
どうぞよろしくお願いいたします。
ロキが告げた通り敵はスケルト・ナイトとウィンドウに表示されていた。そしてスケルト・ナイトは俺たちを取り囲むようにぐるりと並んで静止したのだ。
その数4体。
だが腰の剣はまだ抜いていない。
「いったい、なにがしたいんだ?」
「わかりませんっ。敵であるには間違いないんですがっ」
スケルト・ナイトの真意がわからないまま、俺たちは立ちすくむ。
だがしばらくするとスケルト・ナイトの1体が俺たちの前に進み出た。そして剣をするりと抜く。
しかし他のスケルト・ナイトたちには変化はない。相変わらず抜剣もせずに立っているだけだ。
「……一対一で戦おうってことか?」
「そうみたいですねっ。他のスケルト・ナイトたちは手出ししないようですっ」
スケルト・ナイトたちは全身甲冑を身に着けているが面覆いはないので頭蓋骨の顔の部分がむき出した。
だが骨なので表情はわからないが、どうやらメグミの言う通り加勢はしないように思える。
「なら、ダイキチが相手すれば? 私たちは見ているわ」
「そうじゃのう。遠距離戦ばかりだったので、ダイキチは暇じゃったろう」
言われてみればそうだ。
先程までの戦いはメグミの稲妻、ロキの炎弾、アツメルコの硬貨弾きで倒していたのだ。なので俺はまったく戦いに参加していない。
「わかったよ。じゃあ俺が相手をしよう」
俺は”賢者の斧”を右手に持つと剣を抜いた1体のスケルト・ナイトの前に立つのであった。
すると俺の意図がわかったようでスケルト・ナイトは剣を構える。
「行くぞ。――てい」
俺はダッシュするとスケルト・ナイトの頭目掛けて斧を叩きつけようとした。もちろん斧のスイッチは入れてあるので刃先は炎に包まれている状態だ。
――ガキンッ!
だが、受け止められた。
剣で俺の斧を止めたのだ。
「……やばい」
俺は瞬時に判断し後方へと飛んだ。間合いから離れたのだ。
そしてそれには理由があった。
俺の斧の使い方は完全に素人だ。ただ力任せに振り回しているにすぎない。だが、スケルト・ナイトの剣の使い方は違った。ちゃんと剣を学んだ者の使い方だとすぐにわかったからだ。
「なんかこの魔物、剣が上手ですっ」
「そうね。さすがはナイトと表示されるのは伊達じゃないわね」
「ふぉふぉふぉ。ダイキチには、ちとキツイかのう」
どうやら女神たちもスケルト・ナイトの腕前がわかったようだ。
だが、大丈夫だ。俺には奥の手がある。
「これならどうだ。――拘束の投網!」
俺が差し出した腕から光る投網が飛び出した。そして網は見事にスケルト・ナイトを捉えるのであった。
そうなのだ。
俺には剣術の腕前がなくても、これがある。卑怯と言われようが使える手は使うまでだ。
「――てい」
俺は身動きが取れないスケルト・ナイトを網の上から強打した。するとバリンと頭蓋骨が割れ光の粒となってスケルト・ナイトは消滅するのであった。
まずは1体倒したのです。(`・ω・´)∩
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