表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
507/512

507話 空き部屋情報なのです。

基本二日置きの更新(18時)とさせて頂きます。

どうぞよろしくお願いいたします。


 

 遠くなった意識が戻ってきた。すると俺は自室にいるのがわかる。目の前のちゃぶ台にはゲーミングPCがあり、スピリット・クエスト画面が表示されている。

 そして俺の右隣には恵ちゃん、左隣には呂姫ちゃんがいた。……だが。




「ふぉふぉふぉ。なぜ儂もこの部屋にいるんじゃろうか?」




 そうなのだ。

 振り返ると集子ちゃんが俺の後ろに座っていたのだ。服装はゲーム世界とは違って清楚な水色のワンピース姿であった。髪の長い集子ちゃんに実に似合っている夏の服装だった。



「……わからん。考えられるとしたら俺たちと同じ場所でセーブしたからだろうな」




「そうですねっ。その可能性は高いですっ」




「……ちなみに前はどこからログインしたのよ?」




 呂姫ちゃんに尋ねられた集子ちゃんはふと考え顔になる。そして思い出したようだった。



「ふぉふぉふぉ。前は秀子といっしょにログインしたのう」




 そしてログインして直後に石像の中で待機をさせられていたらしい。




「じゃあ、次にログインするときは俺の部屋に来てもらう必要があるな」




「なるほどのう。……ちょっと遠いから不便じゃのう」




 聞けばバスに乗って来るような距離らしい。要するに隣町に住んでいるようだ。

 そんなときだった。




「おお、そうじゃ。部屋と言えば……」




 集子ちゃんが突然になにかを思い出したかのようにスマホを取り出した。そして操作すると満面の笑みを浮かべるのであった。




「ふぉふぉふぉふぉ。タイミングがいいのう。ちょうどこの神武寮に空き部屋が出たようじゃ」




 そんなことを言ったのだ。

 この神武寮は満室だったはずだ。3月に卒業生が出ていったが、その分新入生が新しく入居したことで空き部屋などなかったと聞いている。

 なので俺はその辺りを言ってみる。




「神武寮に空き部屋なんてないはずだぞ。いったいどこが空き部屋になったんだ?」




「ふぉふぉふぉ。……この部屋の隣じゃのう」




「隣の人って誰でしたっけっ?」




「う~ん。記憶にないな」




 俺は基本的に人付き合いが得意じゃない。なのでこの神武寮の住民もあまり知らないのだ。ただ顔を合わせれば挨拶する程度なので隣人の名前も実は知らない。




「でもどうして隣が空き部屋になったんだ? 別に学校を辞めたとかじゃないんだろ?」



「ふぉふぉふぉ。寮での一人暮らしが淋しくなったのかのう? なんでも実家通いに変更したそうじゃ」




「なるほど。……って言うか、そんな個人情報はどこで知ったんだ? ……そもそもなんでスマホで神武寮の空き部屋なんかわからんだ?」




 すると今まで黙っていた呂姫ちゃんがニヤリと笑うのが見えた。そして自信満々に口を開くのだが、両手を胸の下で組むのは止めてもらいたい。目のやり場にこまるのだ。




「神力ね。……集子は神力を使って架空の不動産情報を集めたのよ」




 意味がわからない。俺は恵ちゃんを見、集子ちゃんを見、呂姫ちゃんを見る。すると3人とも納得した表情になっている。どうやらわからないのは俺だけだったようだ。


隣の部屋が空いたのです。(`・ω・´)∩


よろしければなのですが、評価などしてくださると嬉しいです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ