表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
500/513

500話 ラスボスの正体なのです。

基本二日置きの更新(18時)とさせて頂きます。

どうぞよろしくお願いいたします。

 

 そんなときだった。

 メグミが石像の足元を指さして叫んだのだ。




「ああっ! 神像の足元になにかいますっ!」




 そうだった。

 確かになにかいる。だがそれはとても小さかった。サイズは俺の手のひらに乗るくらいしかないのだ。

 身体は光沢があり、わずかに照らす明かりに銀色に光って見える。まるで金属みたいだな、なんて思った。

 そして次の瞬間だった。そのなにかが再び地を蹴ってこちらに弾丸みたいな速度で飛んで来たのだ。




「危ないっ! 地面に伏せろ!」




 俺は力の限り叫んだ。

 そして俺とメグミは瞬時に地面に這いつくばるかのように低く低く伏せる。するとその上ギリギリをブウーンッと唸りを上げてなにかが飛び去って行くのがわかった。




 俺は顔だけを上げてなにかが飛び去った方角へと視線を向ける。すると地面に上に小さななにかがこちらを向いて身構えているのが見えたのだ。




「……ラスボスですっ。”メタル・ロケット・ウサギ”って表示されていますっ」




 そうだった。

 よく見ればこちらを注視しているなにかはかなり小さいがウサギ型の魔物だった。そして名前の通り身体は金属でできていたのであった。




「小さいけど攻撃が強力なはずだ。まさか金属製のウサギとはな。しかもあれでラスボスなのか」




「そうですねっ。意外なラスボスですっ。……それにしてもあれはまるで弾丸ですっ。ロキが大ダメージを負うのも無理ありませんっ」




 俺とメグミはちらりとロキを見る。

 ロキはまだダメージが抜けないようで仰向けに地面に転がったままだ。




「どうやって攻撃するか、だな」




「あんなに小さくてすばしっこいんじゃ、私の魔法も当てられるかわかりませんっ。……そうですっ。ダイキチの投網のスキルはどうですかっ?」




 なるほど。

 俺が入手したばかりの”拘束の投網”ならば捕らえるのは可能かもしれない。だが不安はある。

 それはこのラスボスが小さい上に今までのウサギたちよりも素早いからだ。なので確実に捕らえられるとは断言はできないな。




 まあ、ものは試しだ。

 俺は動いていない今を敢えて狙ってスキルを発動させてみた。




「――拘束の投網!」




 伸ばした俺の手のひらから光の網が飛び出した。それは空中で大きく広がって地面にいるラスボスに向かっていく。

 だが、その速度はそれほど速くない。なので地面を覆うように広がって着地する直前にラスボスである”メタル・ロケット・ウサギ”は、サッと素早く移動してしまったのだ。




「う~む。地上にいるときに投網で捕まえるのは無理っぽいな」




「そうですねっ。しっかり逃げられましたっ」




 俺とメグミは空振りになって地面に広がった光る投網を見てそう会話をした。見ていると不要になってしまった投網はその場で消えてしまう。

 物理的に存在するのではなく、魔法的なものなので用を足せない状態だとすぐに消滅するようだ。




 そして”メタル・ロケット・ウサギ”だが、移動した先でこちらを睨むように注視している。そして身を低く屈めている状態となる。




「まずい、またロケット攻撃が来るぞ」




「そうですねっ。……ああっ、そうですよっ。今度は飛んでいる状態で”拘束の投網”を使ってみてくださいっ」




 なるほど。確かに”ロケット・ラビット”を捕らえたのも空中でのことだった。なので試してみるのは悪くない。




「そうだな。じゃあ、やってみるぞ」




 俺がそう答えるのとほぼ同時に”メタル・ロケット・ウサギ”が地を蹴って唸りを上げて飛来してくるのであった。


ついに500話なのです。ありがとうございます。(`・ω・´)∩


よろしければなのですが、評価などしてくださると嬉しいです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ