表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
499/512

499話 正体不明の敵なのです。

基本二日置きの更新(18時)とさせて頂きます。

どうぞよろしくお願いいたします。

 

 そして俺たちはいよいよこのダンジョンの奥へと到着しつつあった。

 周りの白亜の石柱も太くなり背丈も高く立派なものになっている。そして幅広いが段差が低い石段があり、その頂上に神像が立つ神殿になっていた。

 石像は背丈は10メートル以上はありそうで、緩やかなひだを持つ貫頭衣姿で右手には長杖を持っているのがわかる。……だが。




「石像の顔が見えないな……」




「ちょうど暗がりになってますっ。明かりが届かないんですねっ」




「……ねえ、それよりも今はラスボスじゃないの? どこにいるのかしら?」




 そうだった。ロキに指摘されて俺とメグミは周囲を警戒する。

 決して油断していた訳ではないが、巨大な神像が気になってしまってついつい肝心のラスボスを探すことを後回しにしてしまったのだ。




 で、俺たちは辺りを見回す。神像の周囲、その横にある石柱たち、棚状になっている献花台らしきもの……。

 だが、そのどこにもラスボスと思われる姿が見つからないのだ。




「……どこにもいないな」




「そうですねっ。見当たりませんっ」




「まさか、ラスボスはいないってことかしら?」




 それはさすがにないだろう。

 なので俺たちはより一層注意深く探すのであった。




 ――そして俺たちは勘違いをしていることが後に判明することになる。

 ラスボスは大きい。そう思い込んでいたのだ。なので探し方も雑で目線よりも上の方ばかりを見ていたのだ。




 そんなときだった。

 突然、メグミの叫び声が響いたのだ。




「ああっ! な、なんかいますっ! 小さいですっ!」




 俺はすぐさまメグミの方を見た。するとメグミは1本の石柱の根本を指さしていた。そこを見ると小さなものの影が見えた。

 そして次の瞬間だった。

 その影がキラリと光ると弾かれたようにこっちに勢いよく飛んできたのだ。




 ――ブウンッ!




 唸りを上げて飛んできたそれは、ガキンッと硬い衝突音を出す。




「キャッ……!」




 見るとロキの金属製の錫杖が宙に飛ばされていた。そしてロキもまた背後の石柱に飛ばされて激突するのが見えたのだ。




「大丈夫か?」

「大丈夫ですかっ?」




 俺とメグミがダッシュしてロキの元に行く。すると背中を激しく石柱にぶつけられたロキがひどく咳き込んでいた。




「……ゴホ、ゴホ、ゴホ……。だ、大丈夫。……だけど結構ダメージを負ったみたい。ひどい痛みだわ」




 確かにロキはすぐには戦闘復帰はできない状態だった。

 俺たちプレイヤーは大きなダメージを受けると痛みでしばらく動けなくなるのだ。




「ロキはしばらく休んでいてくれ」




「そうですねっ。後は私たちが……、って、私たちの相手はどこですかっ?」




 そうなのだ。

 ロキを襲った小さなもの。動く瞬間にキラリと反射したのだけがわかったのだが、正体はまだ掴めていないのだ。




「……どこにいるんだ? 小さいから見つけにくいな」




「そうですねっ。かなり小さかったのでどこにでも隠れられそうなので厄介ですっ」




 俺は”賢者の斧”を右手に持ち、メグミは長杖を抱えて用心しながら石柱の間を探し回るのであった。

謎の敵なのです。(`・ω・´)∩


よろしければなのですが、評価などしてくださると嬉しいです。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ