表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
498/512

498話 神殿の可能性なのです。

基本二日置きの更新(18時)とさせて頂きます。

どうぞよろしくお願いいたします。

 

 手に入れた新しいスキルは勇者専用、つまり俺だけが使えるものだった。

 俺はそれを試してみたくて元の通路まで戻る。するとさっそく”ロケット・ラビット”の群れがちょうどよく現れるのであった。




「新しいスキルを試したい。俺に任せてくれ」




「いいですよっ」

「わかったわ」




 俺たち3人の前方にウサギたちは横一列に並んだ。どうやら一斉にロケット攻撃するつもりのようだ。

 そしてそれは正解で、身構える俺たち目掛けて全匹地を蹴ったのだ。その数8匹。




「拘束の投網!」




 俺はそう叫びながら右手を前方に突き出した。すると手のひらの先から光の束が飛び出して空中で大きく広がる投網となった。光の投網である。




「キュキュキュキュッ……!?」




 すると大きく広がった網にウサギたち全部が空中で捕らえられた。半透明に光る網にかかる様はまさに投網だ。

 そしてウサギたちは網ごと地面に落ちる。




「おおっ。捕まえたぞ」




「やりましたねっ。これはすごいですっ」




「今までの苦労はなんだったの? って感じね」




 そして俺は”賢者の斧”を手にすると地面で動けない”ロケット・ラビット”たちを始末して回るのであった。

 あれだけ苦労したウサギたちだが動けないのならば、それはただの置物と同じだ。なのでそれからも”ロケット・ラビット”たちと出会うたびに俺たちは同じ処理方法で対応したのであった。




 それから俺たちは地図によるとこのダンジョン、つまりニバーンメ遺跡の最奥部までの最後の角を曲がった。

 そこはかなり広い通路になっていて、相変わらず円柱形に柱が並んで建っている神殿造りになっていた。




「この突き当りが最後だな」




「そうですねっ。奥になにか大きなものが建っているのが見えますっ」




「ラスボス? ……違うわね。あれは神像みたいなものね」




 そうだった。

 このダンジョンは遺跡となっているが辺りの様子を見るに、元は神殿で間違いないようなのだ。

 まあ、厳密に言えば精霊が統べる世界なので精霊殿と呼ぶのだろうが、わかりやすく神殿でいいだろう。




 でだ、なぜここが魔物たちの住処になってしまったのかは別として元々は神聖な場所だったのには間違いない。

 なので最奥部に行けば神像が祀られているんじゃないかと俺は思っている。

 そしてそのことをメグミとロキに告げるのであった。




「なるほどですっ。じゃあ、奥に見える大きな神像みたいなものは精霊の像かもしれませんねっ」




「それはあり得るわね。これだけ大きな神殿なのだから、それこそこの大地を創造した大精霊メロロロンの崇める神殿だった可能性があるわね」




 ここでふと気づく。そう言えばロキは精霊の使徒なのだ。なのでその辺りの情報もいろいろ知っているのではないのだろうか?




「なあ、ロキはこの神殿のことは知らないのか?」




「知らないわね。……私が知っていることは実はホントに少ないのよ。このゲーム世界にログインしたときにシステムが勝手に割り振られた使徒に過ぎないから……」




 聞けば、あくまで俺とメグミを始まりの村の祠で導くための役割が与えられていただけに過ぎなくて一般的な精霊の知識などまったく知らないそうだ。




「……ま、考えたら俺も勇者としての知識などないしな。お互い様か」




「私もですっ。しかも私なんてただの従者なのでまったくの無知ですよっ。NPCの村人と大差ありませんっ」




 考えてみればそうだった。

 このスピリット・クエストのゲーム世界は、遊戯の神である秀子ちゃんがかなり改変している世界なのだ。

 そのことから、このゲーム世界はまったくの未知であり、例えネットで攻略方法を捜そうにも絶対にヒットしないに違いない。





「ま、だから手探りでプレイするしかないってことだな」




「そうですねっ。……でもそれも面白いと思いますっ」




「そうね。秀子が造った世界を攻略するってのも楽しみね」




 そんなことを言い合いながら俺たち3人は最奥部へと向かうのであった。

神殿なのかもなのです。(`・ω・´)∩


よろしければなのですが、評価などしてくださると嬉しいです。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ