493話 集団の退治方法なのです。
基本二日置きの更新(18時)とさせて頂きます。
どうぞよろしくお願いいたします。
そして俺たちは時折現れる”ロケット・ラビット”の群れをロキの麻痺魔法を効果的に使うながら無理なく撃破して更に奥へと進む。
そして最後の角を曲がったのであった。
「……遥か遠くだな」
「そうですねっ。霞んで見えますっ」
「突き当りになにかあるわね」
そうなのだ。
もうこのダンジョンはこの直線の通路で最後なのだ。しかしあまりにも距離があるからなのか、それともダンジョンの演出なのか白くて薄い靄に包まれていて最奥の部分がよく見えない。
ロキが言う通りなにかあるのはわかるのだが、それがなんなのか判別できないのだ。
「ま、なんにせよ、行くだけだな」
俺がそう言って歩き出すとメグミとロキも着いてくる。
俺の手には”賢者の斧”、そしてメグミは長杖、ロキは錫杖と準備は万端だ。
そしてそのまま歩き続けたときである。
距離にして500メートルくらいだろうか。
すると前方から10匹の”ロケット・ラビット”の群れが現れたのだ。数が多い。今までは多くても5匹くらいだったので、俺たちをどうしても最奥部まで行かせないというニバーンメ遺跡のダンジョンの強い意思を感じられる。
「……やばいな。数が多すぎる」
「そうですねっ。1匹、1匹を順番に麻痺させるとなると手間ですよっ」
「なら、いっぺんに麻痺させればいいのよ」
ロキが事も無げにいう。本当にそんなことは可能なのだろうか?
「いったいどうすればできるんだ?」
「そうですっ。麻痺は空中に飛んでいるときにしかかけられないんですよっ」
「そうよ。だから一斉に宙に飛ばせればいいのよ」
そう言ってロキは俺とメグミに小声で作戦を説明をした。
なるほど。それなら可能かもしれない。
「じゃあ、通路の真ん中を進むぞ」
「私は後方へ攻撃すればいいんですよねっ?」
「ええ。お願いね」
俺たち3人はだだっ広い通路の真ん中を陣形を組んで進んだ。するとちょっと散らばって構えていたウサギたちが通路中央に集まってくるのが見えた。
どうやら作戦は上手くいきそうだ。
「――じゃあ、行きますっ。――ほにゃらっ!」
メグミの長杖の先に大きな雷光が浮かんだ。そして次の瞬間には鋭い稲妻がウサギの方へと発射されたのだ。
だが、的はウサギたちではない。その後方の床へと着弾し激しい衝撃音が発生するのであった。
「お、うまくいきそうだ」
稲妻が後方に着弾したことで一斉にこちらに向かってウサギたちが走り出すのが見えた。そして彼我の距離が10メートルくらいになったとき、すべての”ロケット・ラビット”たちは大きく跳躍して俺たちに襲いかかる。
そんなときだった。
「行くわよ。――ほいっ!」
ロキが麻痺魔法を発動させた。すると全匹一斉に跳躍していたことですべての”ロケット・ラビット”たちはロキの視界に収められたのだ。
その結果、10匹のウサギたちはすべてボトリと床に落ちて動けなくなり痙攣を起こすだけになっていたのであった。
10匹相手でも大丈夫なのです。(`・ω・´)∩
よろしければなのですが、評価などしてくださると嬉しいです。