491話 ロケット・ラビット攻略なのです。
基本二日置きの更新(18時)とさせて頂きます。
どうぞよろしくお願いいたします。
そして空振りに終わった攻撃を終えた”ロケット・ラビット”たちはまた横一列になり、俺たちに向き直って身構えている。
警戒のためか耳の動きが激しい。
そのときだった。
天啓とも言えるひらめきが俺に浮かんだのだ。
「なあ、あのウサギたち。……飛んでくるときは、ただ一直線だよな?」
「へ? ……そうですねっ。まさにロケットの異名通りにまっすぐ向かってきますねっ」
「そうね。空中では勢いよく飛んでくるだけね」
そこで俺はニヤリと笑った。やはり考えは間違っていなかったのだ。それは”ロケット・ラビット”の唯一とも言える弱点だった。
「――討伐方法がわかった。飛んでるときに麻痺魔法を使えばいいんだ」
「あ、なるほどですっ。飛んでるときは一直線ですし無防備ですっ」
「なるほど理解したわ。じゃあ、誰かが囮になってくれるかしら」
俺とメグミは視線を交わした。
するとメグミは俺を見て笑顔を見せて頷いた。どうやら頼むと言っているようだ。
まあ、的としても俺の方が大きいし仕方ないだろうな。
「じゃあ、行くぞ。麻痺魔法頼んだぞ」
「わかったわ。任せて」
ロキの心強い返事を聞いて俺はその場から斧を身構えて前進した。するとウサギたちは途端に警戒態勢を取る。
だが、俺が突撃もせずにただゆっくりと進んでいるだけなのを理解したようで、その場で溜めを作り3匹が一斉に地を蹴り発射したのであった。その距離10メートル。
――ドッカーン!
爆発みたいな炎と音とともにウサギたちが一斉に弾け飛んで来たのだ。
そのときだった。
「――ほいっ!」
間抜けな呪文が俺の背後で唱えられた。すると宙を矢の如く飛んでいたウサギたちがいきなりボトリと地面に落ちたのだった。
そしてまったく動けないようで全身をぴくぴくと痙攣させているだけになったのである。
「おおっ。やったな」
「お見事ですっ」
「ふん。当然よ」
素直でないロキは褒められたことが照れくさいようで、鼻息も荒く両手を組んでふんぞり返るのであった。
まあ、とにかくこれで危機は去ったのだ。
「じゃあ、とどめは俺がしとくよ」
そう宣言した俺は”賢者の斧”に炎をまとわせると3匹の”ロケット・ラビット”に振り下ろす。
「てい、てい、てい」
すると見事命中したことでウサギたちは光の粒になり消え去っていく。そして地面には大量の銀貨が落ちていたのであった。
そして3人で手分けして銀貨を拾った俺たちは地図を頼りに更に奥へと進むのであった。
それからいくつかの角を曲がり行き止まりの道にも宝箱があるかと思い、それらも走破して俺たちは地下5階の真ん中辺りまで到着していた。
途中、何匹もの”ロケット・ラビット”に出くわすが、ロキの麻痺魔法のお陰でなんのダメージもなく突破できるのであった。
「この階は”ロケット・ラビット”しか出ないな。おそらくラスボス以外の魔物はみんな”ロケット・ラビット”なんだろうな」
「そうですねっ。……あのウサギも最初は手こずりましたけど、もはや私たちの相手じゃありませんねっ」
「そうね。……まさか麻痺魔法が有効とは思わなかったわ。これは素直にダイキチの功績ね」
ロキにそう褒められてしまい、俺は思わず無言になってしまった。ロキは超絶美少女なのだ。顔もスタイルも完璧少女なのである。
そんなロキにストレートに褒められてしまい、俺の顔はたぶん真っ赤になってしまっているだろう。
そんなときだった。
「ダイキチ。……問題発生ですっ」
メグミが深刻な顔になり、いきなりそんな発言をするのであった。
もはや余裕なのです。(`・ω・´)∩
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