489話 ロケット・ラビットの登場なのです。
基本二日置きの更新(18時)とさせて頂きます。
どうぞよろしくお願いいたします。
それからも俺たちは宝箱を見つけては倒し、中身を手に入れた。ただし特殊の宝箱はあれ以来全然見つからず、いたのは通常の”動く宝箱”ばかりだった。
なので手に入れたのは銀貨や食べ物、ちょっとしたアイテムばかりだ。まあ、アイテムボックスにはまだまだ入るし、あって困るものじゃないからいいんだけどな。
「そろそろこの階も終わりですねっ」
地図を手にしているメグミがそう告げた。
見ると確かにそろそろ地下5階に降りる石段が見えてくるはずだ。
「あ、あれね。階段があったわ」
ロキが指差す先に下の階に降りる階段があった。これでこの地下4階も終わりだな。無事に走破することができた。
残るは最終階層である地下5階だけだ。
「いよいよ、このニバーンメ遺跡も終わりですねっ」
「そうね。……最後の階だから、これぞといったお宝があるといいわね」
「そうだな。地図に罠解除ときたからな。まだもうひとつなにか大物アイテムが欲しいところだな。……お。セーブポイントだ」
階段を降りきったところ、つまり地下5階に到着すると青色半透明の石柱が見えた。もうお馴染みのセーブポイントだ。
「セーブはしましたけれど、もちろんこの階も終わらせるんですよねっ?」
「そうよ。こんな中途半端な場所で終わりってのは、不完全燃焼だわ」
「だな。このダンジョンのラスボスを倒してから今日は終わりにしよう」
そして俺たちは地図を見ながら通路を進むのであった。すると今までの階層とは異なることに、すぐに気がついた。
「なんか、風景が今までと違いますねっ?」
「そうね。……今までは天井、壁、床とただの石造りで無骨だったけど……」
「この階は違うな。……神殿みたいだ」
そうなのだ。
この最終階は通路に装飾が施された石柱が並んでいたり、聖人と思われる石像が立ち並んでいたりと、非常の凝った造りになっているのだ。
その分、天井も高いし通路の幅も広い。確かに神殿の通路を歩いてる気分になる。
しかし通路は大きな一本道ではない。ある程度歩くとすぐに右に左に折れるし、脇道も多い。まあ、地図があるから迷うことはないが。
「ああっ。前方に魔物ですっ。……えっ?」
「小さいわね。ホントに魔物なの?」
「……魔物だろうな。ダンジョンの中だから魔物なんだろう」
俺も含めて全員で戸惑うのは無理なかった。なぜならば前方に現れたのはどうみてもウサギだったからだ。その数3匹。
「表示には”ロケット・ラビット”とありますねっ。やっぱり魔物なんですねっ」
「……ロケット? どういう意味かしら?」
「わからん。だが油断はするなよ」
俺たちはそれぞれ武器や杖で身構えた。
すると動きがあった。俺たちを視認したウサギたちが俺たちに向き直ったのだ。そして横一列になり、俺たちと対峙する。その距離10メートル。
そして突然だった。
――ドッカーン!
なんか爆発みたいな炎と音がするとウサギたちが一斉に弾け飛んで来たのだ。どうやら後ろ足で跳躍したみたいなのだが、弾丸みたいな勢いで俺たちに襲いかかってくる。
「グホッ……」
「ぐわあ……」
「ひぐっ……」
凄まじい衝撃を受けて俺たちは壁まですっ飛ばされてしまったのだ。
ただのウサギじゃないのです。(`・ω・´)∩
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