486話 大きな宝箱出現なのです。
基本二日置きの更新(18時)とさせて頂きます。
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それからも俺たちは”動く宝箱”を狩り続けた。動く宝箱は動きも遅く攻撃もしてこないので倒すのは簡単だ。
「……ハンバーガーセットなのですっ」
「……みかんね」
「俺は銀貨10枚だな」
俺たちは倒した宝箱すべてから宝をゲットしている。……なのだが。
「……なんかしょぼいのですっ」
「そうね。あって困るものじゃないんだけど」
「今一つなんだよな」
そうなのだ。
すべて必要なアイテムばかりなのだが、全体的に見て、お宝感が低いのだ。
宝と言えば金銀財宝じゃないが、とても高価なものか、冒険に役立つ重要アイテムが欲しいのだが、そういうものがぜんぜん出ないのであった。
「このまま倒し続けても同じな気がしますっ」
「そうね。……残念ながら私もそう思うわ」
「ん? ちょっと待て。……奥になにかいるぞ」
そうなのだ。
ぼやく2人の女神たち越しに奥の通路を見ていたら、今までの宝箱とはちょっと違うものが見えたのだ。
「あ、あれですねっ。……見た目は宝箱ですが……」
「なんかサイズが違うわね。かなり大きそうよ」
「よし、あれを狙ってみるか」
俺たちは足元の宝箱を蹴散らして奥へと駆けた。すると今までの宝箱の何倍も大きい宝箱が歩いているのを確認したのであった。
「大きいですっ。今までのとは比べ物にならないくらいなのですっ」
「ホントに大きいわね。……人が入れるくらいあるわ」
「かなりでかいな。……ってことは中身も期待できるな。名前は”動く宝箱・強”か。……ってことは強いのか?」
俺はウィンドウに表示されている名前を見て、そう思った。わざわざ”強”と入っているのだから、そう思うのが自然だろう。
「とにかく攻撃あるのみですっ」
「そうね。私も攻撃するわ」
そして2人が攻撃の体勢に入った。長杖と錫杖をゆらゆらと揺らし始めたのだ。
そのときだった。
”動く宝箱・強”の前面に丸い魔法陣が浮かび上がったのだ。あれはなにか意味があるに違いない。
「気をつけろ。なんか仕掛けてきたぞ」
「構いませんっ。強行突破ですっ」
「キツイのをぶつけてやるわ」
俺の注意を無視して、メグミとロキがそれぞれ雷光と炎弾を放つのであった。それは先程までの小さな宝箱を攻撃していたものと大きさが違った。きっと威力も違うのだろう。
――バリバリバリッ!
――ドッゴーンッ!
極太の稲妻と巨大な炎の玉が”動く宝箱・強”に激突した。そして凄まじい衝撃音と立ち上る爆炎で視界が効かなくなったのであった。
動く宝箱・強なのです。(`・ω・´)∩
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