483話 全裸の魔法なのです。
基本二日置きの更新(18時)とさせて頂きます。
どうぞよろしくお願いいたします。
「あれって、なんですかっ……? はっ! あれですねっ!」
どうやらメグミに俺の真意は伝わったようだ。戦っている黄色ビキニアーマーから距離を取り長杖をゆらゆらと揺らしたのだ。
「行きますっ。――ほにゃらっ!」
すると黄色ビキニアーマーがボフンと音を立てて発生した濃霧に一瞬で包まれた。そしてゆっくりと晴れる霧……。
「――イヤァァァァ! なにこれ……!」
それまで一言も言葉を発することがなかった黄色ビキニアーマーが叫び声を上げたのだ。それも仕方ないだろう。なんせ、胸を隠していた上ビキニと下の大事な部分を隠した下ビキニが、なんの前触れもなく突然に消えてなくなってしまったからだ。
そうなのだ。
メグミ。いや、恵ちゃんの最も得意とする神力は裸体化なのだ。男だろうが女だろうが、どんな装備や服装をしていようが、あっと言う間に裸にしてしまうことが可能なのだ。
これは体育祭で嫌と言うほど見せつけられた技であるのだ。
カランと音がして元黄色だったビキニアーマーが剣を落とした。そして右手で豊かな胸を左手で見せられない下を隠してしゃがんでしまったのだ。
そしてその顔は羞恥で真っ赤に染まっており、涙目だ。
「見ないでぇぇぇぇ~……」
どうやらメグミの得意中の得意である裸体化魔法は効果があったようだ。その証拠に元黄色ビキニアーマーは完全に戦力外だ。
「メグミ。俺の方の赤色ビキニアーマーにも頼む!」
「私の方の青色ビキニアーマーもお願いよ」
俺とロキが同時に裸体化を依頼する。その間も無事なビキニアーマーたちの攻撃は続き、俺とロキはそれぞれ斧と錫杖で剣をなんとか受け止めている状態だ。
「わかりましたっ。行きますよっ。――ほにゃらっ!」
ボフン、ボフンと立て続けに音がして俺と戦っている赤色ビキニアーマーとロキが戦っている青色ビキニアーマーが真っ白な濃霧に一瞬で包まれるのであった。
「キャアァァァァァァ~!!」
「な、なんでよぉぉぉぉ~!!」
こちらも同じだった。
それまで無言だったのに裸に剥かれたとたん、恥じらいの乙女になってしまったのだ。元赤色ビキニアーマーのお姉さんも元青色ビキニアーマーのお姉さんも右手でたわわを隠し、左手で大事な下の部分を隠してしゃがみ込んでしまったのだ。
目は屈辱を訴えるキツい視線。だが頬は朱に染まり目尻には涙をたたえている。羞恥に必死に耐えている状態だ。
そしてよく見ると3人の全裸お姉さんたちは顔の造りは超絶美人で同じだった。その辺りは同一の魔物ということで同じ仕様なんだろう。
そんなお姉さんたちの視線と俺は目が合ってしまう。すると気まずさから視線をそらすのであった。
盛り上がるたわわな胸。真っ白な肌。
……俺の別の部分が俺の意志とは別に反応してしまいそうでもあったからな。
「私たちをどうするつもりなの……!?」
「もしかして辱めるつもり!?」
「そ、そんな……!」
もはやただの全裸お姉さんたちになってしまったビキニアーマーたちが見の危険を感じたのか豊満な胸を隠す右腕と見てはならない下の部分を隠す左手に力がこもるのがわかった。
「こ、こほん。……さて、どうしたものか」
「そうですねっ。このまま倒すのもちょっとかわいそうになってきましたっ」
「……って言っても、ここはゲーム世界だし、こいつらは魔物なのよね……」
俺はメグミとロキと顔を見合わせている。敵の戦闘力も攻撃意志もすべて奪ってしまっているのだ。
だが、思う。
ロキが言う通りここはゲーム世界。なので、じゃあこのまま逃げ帰ってくれと言ってもなんの解決にもならないだろう。
「私に考えがあるわ」
そう言ってロキが俺とメグミを近くに呼び寄せた。そして耳打ちするのであった。
得意な神力なのです。(`・ω・´)∩
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