482話 大ダメージを受けてしまったのです。
基本二日置きの更新(18時)とさせて頂きます。
どうぞよろしくお願いいたします。
「――そうね。行くわよ。ほいっ!」
しかし、であった。
なんと麻痺魔法が効かなかったのだ。3体のビキニアーマーたちは攻撃魔法かと思い警戒したようで身を捻らせて距離を取ったのだが、そのまま剣を構えてこちらにジリジリとすり足で近寄って来ているのだ。
つまり、自由に動けているという訳だ。
「駄目ね。麻痺魔法が効かないわ」
「と、なるとなんとか攻撃魔法を当てなくちゃなりませんねっ」
メグミとロキは互いを見て頷くと再び攻撃魔法の準備に取り掛かる。
「行きますっ。ほにゃらっ――!」
「行くよ。ほいっ――!」
2人とも今度は作戦を変えたようでメグミは雷光ではなく長杖から稲妻を発射。そしてロキは小さいながらも多数の炎弾を放ったのだ。
威力よりも速度と命中率を狙っての攻撃だった。
しかしである。
命中直前にビキニアーマーたちは、たゆんたゆんと豊かな胸を揺らしながら跳躍し、天井や壁を蹴ってするりと魔法を躱してしまうのだ。
そしてそのまま俺たちに斬り掛かってきたのである。
「ま、まずい!」
「避けられましたっ!」
「万事休すね……」
俺は切られた。
すげー痛みが襲う。赤色ビキニアーマーに肩からばっさりと袈裟斬りでやられたのだ。
「い、痛えーっ!」
俺は思わず後ろ向きに倒れる。すると視界の隅に杖で懸命に応戦するメグミとロキの姿が映った。
そうなのだ。
俺は多大なダメージを受けたのだ。
思わず傷口に手を当てる。
……あれ、血が出てないぞ。
「ダ、ダイキチ、大丈夫ですかっ!」
「ダイキチ。生きてる?」
俺は片手を上げて返事をする。
「大丈夫だ。すげー痛えーけど、傷はない」
すると俺を斬りつけた赤色ビキニアーマーがとどめとばかりに胸とお尻を揺らしながら追撃してきた。俺はそれを片膝をついたまま賢者の斧で受け止める。
「どうやらこのゲームの仕様で、斬られても傷は負わない。ただ痛みだけは感じるようだ」
そうなのだ。
俺はあまりの痛みで最初は動けなかった。だが、一定時間が経過すれば元通りに動ける仕組みになっているようだ。
そんなやり取りをしているが、俺もただ突っ立っている訳じゃない。賢者の斧を振り回し赤色ビキニアーマーと戦っているのだ。
「な、なんとかなりませんかっ……」
「とは言っても攻撃魔法は当たらないし、麻痺魔法も効かないんじゃ、正直どうしたらいいのかわからないわ」
メグミとロキが杖で戦いながら、そう会話している。
――そんなときだった。目の前のたわわな赤色ビキニを見ていたら、俺の頭の中に天啓ともいうべきひらめきが浮かんだのだ。
「メグミ! あれだ! 得意の神力を使ってくれ!」
俺は赤色ビキニアーマーの攻撃を受けながら、ひらめきを実行するように伝えたのであった。
とても痛いのです。(`・ω・´)∩
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