481話 ビキニアーマーの登場なのです。
基本二日置きの更新(18時)とさせて頂きます。
どうぞよろしくお願いいたします。
そして地図を見ながら俺たちは石段を降りて地下2階に到着したのであった。
「地図を見るに、地下1階と地下2階の大きさは同じですねっ」
「そうだな。……お、地下3階以降も同じだ。このダンジョン、ニバーンメ遺跡はすべて階層が同じ広さだな」
地図で確認すると広さは同一。ただし道は異なっているのがわかった。
するとロキが前方を指さした。
「――なんかやって来たわよ。きっと魔物ね」
ロキが言う通りだった。
前方の暗がりから3体の人型のなにかが迫って来ている。その速度はけっこう速い。駆け足で走り寄ってくるのがわかる。
「見た目、完全に人だな」
「そうですねっ。髪の毛が長いし女の人みたいですっ」
「……そうね。で、剣を持っているのはわかるけど、身体を見ると水着に見えるんですけど……」
魔物たちがかなり接近して来たので、その全容が明らかになった。腰まで伸びた髪、右手には片手剣、そして着ているのは、それぞれ赤、青、黄色の切れ込みのエグいビキニだったのだ。
「ああっ。表示されました『ビキニアーマー』という名前の魔物ですっ」
そうだった。俺にも魔物の上に表示されたウィンドウが見える。そこには間違いなくビキニアーマーと書かれていたのだ。
「……ビキニアーマーって、ビキニの形状をしているが、いちおうは鎧の範疇に入るファンタジー世界の防具のはずだったんだがな……」
「そうね。でもこれは完全に水着ね」
そうなのだ。
剣さえ持っていなければ砂浜やプールサイドでお目にかかれそうなきれいなお姉さんにしか見えないのだ。
だが、魔物は魔物。視線はキツく俺たちに敵意を持っているのはよくわかる。なので俺たち3人は同意を確認するために頷いた。
俺は”賢者の斧”を構え、メグミは長杖を伸ばし、ロキは錫杖を突き出す。
「じゃあ、攻撃しますよ。ほにゃらっ――」
「行くわよ。ほいっ――」
まだ俺たちまでの距離がある時点でメグミとロキが先制攻撃をしかけた。メグミは雷光の玉を、ロキが巨大炎弾をだ。
そして発射されたそれぞれの魔法は勢いよくビキニお姉さんたちに飛んでいく。
ところがである。
命中直前でビキニお姉さんたちが、スッと避けたのだ。それもものすごい勢いで床を蹴り宙高く回避したのであった。
そして天井を蹴り、地面に到達するとまた高速でこちらに迫って来る。
「はわわ……。素早いですっ」
「そうね。まさか避けられるとは思わなかったわ」
そして接近戦となった。
俺たちも相手の数も同じなのでひとりが1体を受け持つ形だ。俺は賢者の斧を振り回す。だがするりと避けられてしまう。
視線の隅ではメグミもロキもそれぞれ杖で対応しているのが見えるが苦戦しているのがわかる。
そして俺たちは相手の剣を受け流すことしかできない状態にされてしまう。
「――ロキ。麻痺させるんだ!」
俺は叫んだ。
そうなのだ。素早くて攻撃が当たらないのであれば動きを封じてしまえばいいのだ。ロキの麻痺魔法は視界に収められれば、そこがすべて効果範囲になると聞いている。
見るだけで射程に捉えられる魔法ならば、確実に制止させられるだろう。
カラフルなビキニ姿なのです。(`・ω・´)∩
よろしければなのですが、評価などしてくださると嬉しいです。