480話 地図を発見したのです。
基本二日置きの更新(18時)とさせて頂きます。
どうぞよろしくお願いいたします。
地下1階は登場する魔物はマミーだけだった。そして銀貨は落とすものの、その他のアイテムのドロップは皆無だった。
そしてダンジョン自体だが、右回りで周ることで取りこぼしなく一周できたのであった。
「ああっ、地下2階に進む階段が見えましたっ」
そうだった。
メグミが指差す先に更に降りる階段が見えたのだ。これで地下1階でやるべきことは終わりだな。そう思ったときだった。
「あれ? 見えづらいけどあの通路の先に道がありそうよ」
ロキが階段の脇にあるちょっとくぼんだ短い通路を指さしたのだ。そこは3メートル程進むと行き止まりになっているように見えるのだ。
だが、言われてみると行き止まりの手前に左側に道がありそうに見える。
「行ってみるか」
「そうですねっ」
「もしかしたら、お宝があるかもしれないわよ」
俺たちは行き止まりに見える通路に入った。するとロキが指摘したとおり左側に入るとても狭い通路があったのだ。
そして俺たちはその通路を蟹歩きで入った。すると中は小部屋になっていた。
「ああっ、宝箱ですっ」
「やっぱりあったわね。隠されている雰囲気だったからありそうな気がしたのよね」
そうだった。
小部屋の中心には、ででーんと存在感のある宝箱が鎮座していたのだ。
その箱は大きめの木製で枠が鉄で補強されている、いかにも宝箱って感じのものだ。
「……罠は大丈夫か?」
俺はぐるりと宝箱の周りを一周して調べてみたが異変は感じられない。だが開けることで発生する罠もあるから油断はならないのだ。
「仮に罠が設置されていたとして、事前に判別できるものなのですかっ?」
「……いや、今の段階では、できない」
そうなのだ。
これがもう少しゲームが進めば罠判別の魔道具などが登場するので、その後の宝箱開封は安全になるのだが、今の時点ではそれは望めない。
「だったら、開けましょう。ゲーム初期の最初の宝箱に罠が設置されている可能性なんてごくごく低いでしょ」
ロキがそう言い放つとさっさと宝箱を開けてしまった。
俺は身構えて警戒したが、それは無駄に終わる。宝箱に罠は設置されていなかったのだ。
「ああっ、なにか入ってますよっ」
「巻物ね。なにが書かれているのかしら? 魔法の呪文書かな?」
ロキが手を伸ばして巻物を取る。そして紐をほどいて中身を広げるのであった。
そこには地図が書かれていた。
「どこの地図でしょうかっ? なんか青く光っている箇所がありますけどっ」
「このダンジョンの地図だな。そして光っているのは俺たちが今いる現在地だ」
そうだった。
この地図はこのダンジョンの地下1階を表示していた。そして地図の四隅だけでなく上辺下辺左右などに矢印があり、そこに触れると未表示の部分が表示される。
そして判明した。
この地図はこのダンジョンだけでなく、世界すべての地理が表示される魔道具、つまり重要アイテムだったのだ。
「いいものが手に入りましたっ」
「私のお陰ね。感謝しなさいよ」
「ああ、感謝する。……で、この地図によるとこのダンジョン、つまりここニバーンメ遺跡は地下5階まであるってことがわかった」
そうなのだ。
まだ足を踏み入れていない地下2階以降の階層もばっちりわかったのである。これでダンジョン攻略がかなり楽になることが予想できたのであった。
全体マップが手に入ったのです。(`・ω・´)∩
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