477話 魔法かアイテムが欲しいのです。
基本二日置きの更新(18時)とさせて頂きます。
どうぞよろしくお願いいたします。
「寄り道してかないか?」
「寄り道って、遺跡ですかっ? ……まあ、急ぎの旅ではないですからねっ」
「それって、なにか得することがあるのかしら?」
「ああ、ある――」
俺は遺跡に行ってみるメリットを説明した。遺跡には宝があり、それを手に入れられることをだ。
もちろん魔物がいるし、罠もあるので危険な面も伝えた。
「なるほどですっ。……それは行ってみるのもいいかもしれませんねっ」
「そうね。魔物の危険性は別に遺跡じゃなくても同じだしね。いいわよ」
メグミもロキも同意したので俺たち3人は遺跡方面へと進路をとった。そして道は山へと向かっているのであった。
山道は木々がだんだん少なくなりむき出しの山肌の道となった。
「お、魔物が出たぞ。あれはジャイアント・ボアだな」
見通しがいいので魔物の存在がすぐにわかった。もう何度も戦った巨大なイノシシの魔物である。
そしてジャイアント・ボアの群れは全部で7匹もいた。それらが一斉に俺たちに気がついて突進して来る。
「メグミ、ロキ、頼む。……そしてできれば俺にも1匹分けてくれ」
「わかってるわよ。麻痺した状態にすればいいんでしょ」
俺がすべてを言わなくてもロキは理解してくれた。
そうなのだ。
俺が手にしている”賢者の斧”は相当強力な武器だ。だが、俺にはあのイノシシの突進を止める手段がないのだ。
なので安全に仕留めるにはロキの麻痺魔法が必須となってしまうのだ。
そしてメグミの雷光の玉とロキの炎弾がジャイアント・ボアに襲いかかる。ボアたちは一斉にまっ黒焦げになり、地面にドウと倒れた。
そして残る最後の1匹はピクリとも動かない状態で静止していた。ちゃんとロキが麻痺魔法を使ってくれたようだ。
「サンキュー。じゃあ、最後の1匹は俺が倒すから。――ていっ」
俺は動けないジャイアント・ボアに”賢者の斧”を振るった。すると一撃でボアは倒れ光の粒になって消えたのであった。
それから俺たちは地面に大量に散らばった銀貨を拾うのである。これが割とめんどい作業ではあるのだが、お金はいくらあっても困らないのでしっかりと拾う。
「……しかし、ダイキチの戦い方は大変ですねっ。強力な魔物相手だと動きを封じる必要がありますからねっ」
「……だよな」
そうなのだ。
これがレベル制のRPGゲームならば、レベルが上がるにつれてHPとか力とか素早さなんかが向上して、より強い魔物と正面から戦えるようになるんだが、この秀子ちゃんが創ったスピクエもどきにゲーム世界にはそれがないのだ。
「だとすると、相手の動きを止める魔法とかアイテムとかが必要ね」
「そういうのが見つかるといいな。……案外、遺跡にあるかもしれないな」
そうなのだ。
ここはあくまでゲーム世界なのだ。なので、ちゃんとクリアできるようにそれに応じたシステムが用意されている可能性は高い。
それはロキが言う通り、麻痺などの魔法か、それとも動きを止める魔道具などのアイテムかもしれないのだ。
「じゃあ、遺跡に期待しましょうっ」
そういうことで俺たちは銀貨拾いを終えると旅を再開するのであった。
動きを止めるなにかが欲しいのです。(`・ω・´)∩
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