475話 ブルースライム登場なのです。
基本二日置きの更新(18時)とさせて頂きます。
どうぞよろしくお願いいたします。
そして歩くこと体感時間で1時間くらい経過したときだった。
ただしゲーム内の時間はリアルタイムじゃないのでプレイしている時間は3分程だろう。その間に俺たちは食事休憩を摂ったりして、のんびりと旅を進めている。
「……トイレの必要がないのはいいな」
「そうですねっ。トイレに行きたくなっても、この道にトイレありませんしねっ」
そうなのだ。
さすがはゲーム世界だけあって、いくら風景がリアルでも必要ないものまでは再現されていないのだ。
「……そうよね。これでトイレに行きたくなったら、その辺でしなきゃならないから助かったわ」
まあ、実際、大昔の旅の場合、公衆トイレなど街道に設置されていないだろうから、その辺で垂れ流しするしかなかったんだろうな。
まあ、そんな下品なことはどうでもいい。
俺たちは排泄の心配なく旅ができることを喜び合うのであった。
■
それから少し進んだときである。
道は森の中に通っていた。先程まで視界良好だったのだが、道の左右に背の高い木々が密集しているので前方と後方以外はあまりよく見えない。
そしてそんなときだった。
「右側前方になにかいますよっ」
「魔物かしら? ……って、こんな森の中に人がいるわけないわよね」
メグミが指差す方角の茂みがガサガサと動いて、中から魔物の群れが飛び出してきた。その数6匹。ブヨブヨした粘体のような感じで色は目が覚めるような青色だった。
「スライムか? ……でも色が違うな」
そうなのだ。
これまで見てきたスライムは体色が緑色だったのだ。大きさは変わらないが色がまったく違う。
「新種でしょうかっ?」
「そうかもね。……あ、なんか表示されたわよ」
鑑定は基本、手で触れることで可能になるが魔物の中には自動で表示されるものもある。そしてこいつらもそうだった。
「ブルー・スライム。って、まんまじゃねーか」
「あまり強くなさそうですねっ。正直やる気が湧きませんっ」
「そうね。……私もパスしようかしら」
ブルー・スライムたちは適度に距離を置いて俺たちを包囲するように布陣する。俺はアイテムボックスから”賢者の斧”を取り出したのだが、二人の女神の発言に反論する。
「……ちょっと待て。いくらスライムだとしても俺ひとりは無理だぞ。手伝ってくれ」
するとメグミとロキは互いに顔を見合わせる。
そしておそらく不本意なのだろうが、頷いてくれるのであった。
「じゃあ、私は2匹倒しますっ」
「そうね。私も2匹倒すわ。残りはダイキチの担当ね」
どうやら手伝ってくれるようだ。
そして2人とも「ほにゃらっ」「ほいっ」と間の抜けた呪文を唱えて雷光の玉と炎弾を2発ずつ発射する。
すると見事にブルー・スライムたちに命中して黒焦げにしてしまい、その死骸はやがて光の粒となって消えてしまうのであった。
「残りは2匹。じゃあ、やるぞ」
俺は生き残った2匹のブルー・スライムに向かって走る。そして斧を振るう。手始めに近くにいたヤツを攻撃したのだ。
「ていっ!」
だが、俺の攻撃はボヨンと跳ね返されてしまうのであった。
攻撃が効かないのです。(`・ω・´)∩
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