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472話 神力上昇なのです。

基本二日置きの更新(18時)とさせて頂きます。

どうぞよろしくお願いいたします。

 

 俺たちは林の中を進み、臥留子ちゃんを探した。

 すると浴衣姿の臥留子ちゃんはちゃんと北側の林にいた。どうやら一本一本と相当丁寧に探していたようだ。




「臥留子ちゃんっ。ありましたよっ」




「これが霊木の実で間違いないのか?」




 到着した俺たちは手に持っている青白く光っている小さな実を臥留子ちゃんに見せた。すると臥留子ちゃんが満足そうに頷くのであった。

 そしてどこにあったのかと尋ねてきたので、西側の大きなクスノキの横に生えていたと説明するのであった。




「……そうだった。……クスノキの……近く」




 どうやら思い出したようだ。

 そして臥留子ちゃんは俺たちから霊木の実を受け取る。4つすべてだ。そして実り具合を確認して深く頷いている。どうやら問題なさそうだ。




「で、その実をどうするんですかっ?」




「……食べる。……お腹……空いたから……」




「は……?」




 俺は思わず驚きの声を漏らしてしまった。

 だってそうだろう。俺を元の体にするために苦労して見つけた実なのだ。それなのに臥留子ちゃんの腹を満たすだけが理由だったと思えてしまったからだ。

 だが、さすがにそれだけではなかった。




「……もちろん。……加茂大吉を戻す……ために……必要……」




 良かった。

 いくらこちらが頼み事をしている立場だとしても空腹のために探させたとあれば一言文句も言いたくなる。




 そして臥留子ちゃんは実をポリポリと音を立てて4つとも完食した。

 すると見た目僅かだが臥留子ちゃんの全身が青白く光っているように感じられる。




「なあ、……臥留子ちゃんが光ってないか?」




「そうですよっ。一時的に神力が上昇しているのですっ。なので身体が光るのですっ」




 なるほど。

 霊木の実はそういう効果があるのがわかった。やっぱり俺の女体化を解くために必要だったのだろう。




「……うん。……おいしかった。……満足」




 そう言って臥留子ちゃんが踵を返した。それは祠の方角だった。




「ちょっと待ってくださいっ。大吉さんはどうするんですかっ?」




 すると、振り返った臥留子ちゃんはハッとした表情になった。




「……そうだった。……加茂大吉に今戻す……」




 どうやら腹が満たされて満足してしまい、俺のことを忘れてしまったようだ。

 う~む。……臥留子ちゃんはどうにも掴みどころがない。




「……じゃあ……行く……。……うにゅ……」




 妙な声を出した臥留子ちゃんは両手を天に伸ばし、そして俺に向かって振り下ろす。

 するとボフンとした音とともに俺は真っ白で濃厚な霧のようなものに包まれるのであった。




 ■




「……きちさんっ……いきちさんっ……だいきちさんっ……」




 どうやら俺は意識を失っていたようだ。

 俺を呼ぶ恵ちゃんの声がだんだんはっきりしてきて、同時に意識も戻ってきたのである。

霊木の実で神力アップなのです。


よろしければなのですが、評価などしてくださると嬉しいです。

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