462話 脱衣ケーキ合戦なのです。
基本二日置きの更新(18時)とさせて頂きます。
どうぞよろしくお願いいたします。
「ちょ、ちょっと待って……。どういうルールなの?」
「やればわかる」
まともに答える気がないようで秀子ちゃんはチーズケーキを俺に向かって投げてきた。
……危ない。
俺は右肩に当たりそうなケーキを身をかがめて避ける。だが、避けきれなかったようで僅かに掠るのであった。
もちろん当たったのはケーキなので感触こそあるが、痛くもなんともない。
だが、そこで恵ちゃんからの念話が届いたのだ。
(……ああっ。Tシャツが破れてますよっ!)
「……えっ?」
俺は自分の右肩を見る。すると青色のTシャツの肩の部分が破れて肌が露出していた。ブラの肩紐はちぎれかけてかろうじて残っている状態だ。
「……ど、どういうこと? これ?」
「ふふふ。ケーキが当たるとそこの服が破けるルール」
勝ち誇ったかのように秀子ちゃんが口角を上げてほくそ笑む。どうやらこのゲームのルールは雪合戦と同じでケーキを投げ合う単純なものらしい。
だが、そこには悪意が潜んでいた。ケーキがぶつかると肌を見せてしまうものだったのだ。
「……ちょ、ちょっと。なんでこんなルールにしたの?」
「ただぶつけ合うだけじゃおもしろくない。裸にされたら負け」
なるほどな。
ただケーキを投げ合うだけじゃ、互いにクリームまみれになるだけだ。なので難易度を上げたのだろう。
それも己の裸を賭けることで必死にならざるを得ない状態にしたのだろう。
理屈としてはわかる。だが乙女の身体としてはわかりたくないものだった。
そんなことを言い合っていると秀子ちゃんがチョコレートケーキを掴んで投げてきた。それも俺の胴体。――正確に言えば胸を狙っていた。
「……あ、危なっ!」
俺はすんでのところでぎりぎり避けることに成功した。……いや、避けきれていなかった。
左の胸の横、脇の下辺りにケーキが掠ったのだ。
その結果、俺のTシャツは更に破れ、左脇の下が大きく露出することになる。その大部分は淡いブルーのブラの脇の部分だった。
……待てよ。胸ばかり狙っているところを見ると、さては胸の大きさにコンプレックスがあるな……。
俺は秀子ちゃんの心理をそう読んだ。
それはたぶん正解だろう。わざと俺の胸を狙ったんじゃないか……。
俺は改めて自分の胸を見下ろし、そして秀子ちゃんの胸を見る。
うん。だいぶサイズに差がある。
だが、秀子ちゃんも見比べられたのを感じたのか、口をとがらせて不満の意思を現す。
「……むぅ」
そしてまた秀子ちゃんはケーキを掴む。だが俺も負けてはいられない。このケーキ合戦は全裸にされた方が負けなのだ。
だったら俺も戦うしかない。むざむざと辱めを受けたくないからな。
そして俺は手近にあったいちごショートを掴むと秀子ちゃん目掛けて投げる。ケーキは勢いよく飛んで行った。
俺も秀子ちゃんの胸を狙ったのだが、それは身を翻す秀子ちゃんに避けられた。さすがは遊戯の神だ。こんな単純な遊びにも精通しているようだ。
「まだまだ。甘い」
そして得意げな笑みを浮かべる。それがちょっと憎たらしいので、俺は更にケーキを掴んだ。今度はモンブランだ。
そのモンブランを投げる……振りをした。フェイントだ。だが、秀子ちゃんはそのフェイントにまんまと引っかかり身体のバランスを崩しかけている。
――チャンス!
俺は今度は腰の辺りを狙って投げた。
すると秀子ちゃんは身を捩って躱そうとした。だが、右腰付近を掠ったのだった。
「やられた。悔しい」
秀子ちゃんの被弾箇所は右の下腹部。見るとショート丈のオーバオールが破れ、その下に見えた白いパンツも破けかけているのだった。
ぶつかれば破れるのです。(`・ω・´)∩
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