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460/512

460話 お菓子の家なのです。

基本二日置きの更新(18時)とさせて頂きます。

どうぞよろしくお願いいたします。

 

(わかりましたっ。さっき神力を使ったのは秀子ちゃんだったのですっ。神力で無理やり大吉さんとゲームができるように細工したのは間違いないですっ)




 恵ちゃんの念話が俺に飛んできた。

 まあ、遊戯の神でゲーム狂だからな。考えたらこんな巨大なゲーセンのオープン初日ならわざわざ都内からやって来ていても不思議じゃないか。




 それに秀子ちゃんなら、恵ちゃんに察知されなかったのも納得だ。彼女の神力は強い。なので最初からずっとこの人混みに、こっそり紛れていたんだろうな。

 そしてかつてPCショップやゲーセンで好対戦した俺、つまりダイキチーナ相手にゲームがしたくなったのだろう。




「……久しぶり。……でも、番号札、1番だったんだ」




「オープン前から並んでた。これに関しては神力は使ってない」




 なるほど。

 なにからなにまで神力でゴリ押しする性格ではないようだ。順番待ちはちゃんとしたらしい。




「再戦って、このVRゲームでするのかしら?」




「そう。……どのゲームにするかは任せる」




 302番の俺と1番の秀子ちゃんが揃ったことで係の人が説明を始めた。

 それによるとこのVRゲームは『VRステージ・炸裂』というらしい。さっきアナウンスしていたがスルーしてしまったので忘れてた。

 しかしなんとも微妙な名前だ。もっとかっこよくて印象的なネーミングはできなかったんだろうか……。




「――それでですね、このゲームには4つの世界があるんです。どれをプレイされますか?」




 案内によると、下記の通りらしい。


 1:宇宙船船内での戦闘。

 これは彩花ちゃんと沙也加ちゃんがプレイしてたもので、宇宙船内に潜入してきた宇宙生物を銃で撃つもの。


 2:西部の開拓時代での戦闘。

 アメリカの開拓時代の西部劇を舞台にしたもので、ガンアクションで敵を倒すもの。


 3:時代劇の刀による戦闘。

 幕末辺りをイメージしたもので街中で刀で切り合うもの。



 4:お菓子の家でケーキを使った戦闘。

 ファンタジーかつファンシーな世界観が舞台のもの。




 とのことだ。

 正直、俺は迷った。どれもプレイしてみたい世界ばかりだ。……だとすると……。




「ねえ、どの舞台でもいいんでしょ?」




「構わない。無問題」




 念の為、秀子ちゃんに確認を取ったが、やはりどれでもいいようだ。

 ならばと俺は自分がしたい舞台を係の人に伝えるのであった。




 そして俺と秀子ちゃんはVRヘッドギアを渡されたので装着する。すると電源が入りゲームスタート画面がヴァーチャル・リアリティに視界に映る。

 そしてそこは大きな室内だった。そして壁や柱はクッキーで窓枠はチョコレートだったのだ。そう。俺が選んだのは4番。つまりお菓子の家だったのである。




「……むう。これは意外」




「でしょ? たぶん秀子ちゃんならこれは選ばないだろうなってのを選んだのよ」




 そして俺たちの前には真っ白いテーブルクロスが掛けられた巨大な丸テーブルがあり、その上にはいくつもの大皿でたくさんの種類のケーキが乗せられていたのだ。

 それは定番のいちごショート、モンブラン、チョコレートケーキ、チーズケーキ、フルーツタルトなど様々ある。

 俺はケーキをあまり食べないので詳しくないが、ざっと30種類はあると思えた。




 するとコミカルだかちょっと不気味な音楽が流れてきた。ゲーム開始のようだ。

 見ると食器棚や衣装クローゼットなどの家具の隙間から黒い物体がわらわらと現れた。

 シルエットからしてネズミのようだ。大きさは割とあり30センチほど。なのでドブネズミのサイズだと思われる。




 そしてその多数のネズミたちが一斉に散った。見れば壁や柱、窓枠などにガジガジと食らいついたのだ。

 どうやらネズミたちは敵のようだ。




「……なるほど。家をぜんぶ食われたらゲームオーバー」




 秀子ちゃんの説明で納得した。ネズミたちは俺たちに攻撃することはない。あくまで家を構成している菓子が狙いのようだった。




「……ってことは、このテーブルの上のケーキをネズミたちにぶつけるのね」




 ゲームの仕組みがわかったことで俺と秀子ちゃんはケーキを掴み振りかぶるのであった。

お菓子の家で戦うのです。(`・ω・´)∩


よろしければなのですが、評価などしてくださると嬉しいです。


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