457話 仮想現実のシューティングゲームなのです。
基本二日置きの更新(18時)とさせて頂きます。
どうぞよろしくお願いいたします。
そして今までプレイしていた客2人がゲームを終了した。ゲーム自体はまだ途中なのだが、アナウンスによると10分間の時間制限があるようだ。
更に説明を聞くと今はオープニング期間なので無料でプレイできるらしい。
「無料ですかっ。私もしたいですっ」
「そうね。でも、これだけ大勢の人がいると順番待ちの時間が長いんじゃないかしら」
恵ちゃんの言葉に対して、俺は冷静な分析を伝えた。
するとまたもやアナウンスがあり、順番は入店時に入口で渡された抽選券で決まるとのことだ。
「抽選券? そんなのもらったかしら?」
「ああ、これね。大丈夫。全員もらっているわよ」
横で会話をしていた彩花ちゃんと沙也加ちゃんの方を見ると、沙也加ちゃんの手に小さな白い紙があり、そこに数字が記載されていた。
どうやら入店時にもらったパンフなどといっしょに渡された中に混じっているようだ。なので俺も確認すると確かに抽選券があった。
「さあ、次の方々です。抽選番号300番と301番の方、プレイできます」
そうアナウンスがあった。俺たちはそれぞれ手元の抽選券を確認する。
「嘘みたい。私たちよ」
「すごく運が良いわね」
そうだった。
なんと当たったのは彩花ちゃんと沙也加ちゃんだったのだ。
そして係の人に案内されて2人の従姉妹たちはゲーム会場内へと入る。
そのときちょっとしたどよめきが起こる。この店はゲーセンということで客層の男女比にずいぶん差がある。もちろん男の方が圧倒的に多いのだ。
「なあ、あの2人、可愛くないか?」
「……しかも双子だ。双子の美少女だ」
「双子の美少女たち。……なんか萌える要素があるな」
2人はお揃いの服を着ていて髪型も同じ、そして顔までそっくりで、しかも美少女なのだ。
これは男性としては、あれこれ良からぬ夢想してしまうシチュエーションがあるのだろう。
「これは美しい方々ですね。姉妹さんでしょうか。それではお願いします」
そう言った係の人は彩花ちゃんと沙也加ちゃんにゲームの説明をしている。それが俺にも聞こえてくる。どうやら複数の世界でのプレイを選択できるようだ。
2人は少しの間、顔を突き合わせて相談していたが、やがて決まったようでどのゲームをプレイするかを係の人に伝えるのであった。
「……結局、前のと同じゲームですねっ」
「どうやら前にプレイしていた人たちのを見て、それをプレイしたくなったのかしら」
そうだった。
どうやら2人は先程までプレイされていた宇宙船内での攻防戦のゲームが気にいったようで、それを選択したのだ。
そして彩花ちゃんと沙也加ちゃんは渡されたVRヘッドギアを装着する。縦と横に頭に固定するバンドがあってそれを調節して目の部分だけゴーグルで覆うオーソドックスなものだ。
すると周囲の男性たちから、残念そうなため息が漏れる。
……まあ、わかる。
せっかくの美少女たちを遠慮なくジロジロ見られる良い機会なのだ。その美しい目元が隠されしまっては魅力半減だろうな。
「わあ、これすごいわね」
「ホント。完全にリアルじゃないの」
どうやら2人にはすでに立体映像が見えているのだろう。
そして壁に設置された巨大な液晶モニタを見るとそこには無骨で未来的な宇宙船の船内の様子が表示されていた。
そして彩花ちゃんと沙也加ちゃんには、先程の客たちが手にしていた小銃型の光線銃が手渡される。
「さあ、まもなく始まります。お二人とも準備はいいですね?」
アナウンスがそう告げると派手で壮大な音楽が流れ始めた。そして画面では2人の視線で船内を移動している様子がわかる。
で、実際の彩花ちゃんと沙也加ちゃんも足を進めているのが見えた。
そこで船内の証明が赤い明滅に変わり、アラート音が流される。そして画面と音声で良からぬ者たちの宇宙船内の侵入が告げられるのであった。
彩花ちゃんと沙也加ちゃんのプレイが始まるのです。(`・ω・´)∩
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