454話 ダイキチーナはこの家の娘なのです。
基本二日置きの更新(18時)とさせて頂きます。
どうぞよろしくお願いいたします。
階段を降りて居間。……お袋いわくリビングだが俺はその襖をそっと開ける。するとこちらを見る4つの目と合った。
彩花ちゃんと沙也加ちゃんだった。どうやら2人はもう起きていて居間でテレビを観ていたようだ。
「あ、ダイキチーナちゃん、おはよう」
「おはよう。今日も綺麗で羨ましいな」
そういうことか。
俺はその瞬間にダイキチーナが認められていることを直感した。2人の態度にはなんの戸惑いもなく無条件で俺を受け入れていたからだ。
そしてもちろん昨夜、俺が突如にダイキチーナになり、驚かせたことは記憶にない様子だった。
「うん。2人ともおはよう。気持ちの良い朝ね」
俺は言葉遣いに注意しながら、座卓の空いている座布団に腰を下ろす。
そして俺自身が感じている疑問を整理するのであった。
俺の家族はどう見ても純血の日本人だ。その証拠に両親も俺も黒髪黒瞳で顔も日本人らしく平面的なのだ。
だが、ダイキチーナは違う。
髪の毛は輝く黄金色で瞳は透き通るような青色なのだ。それに肌も雪のように白い。そして目鼻立ちはしっかりしている。
なのに俺はこの加茂家の人間として存在してしまっているのだ。
……う~む。恐るべき神力。
俺は今更ながら恵ちゃんの能力に舌を巻くのであった。
そして彩花ちゃんと沙也加ちゃんと他愛もない会話をして過ごしていると、台所からお袋が顔を出した。
「あら? 恵はまだ起きていないのね。……じゃあ、ダイキチーナ、それと彩花ちゃんと沙也加ちゃん。ちょっと手伝ってくれる?」
どうやらお袋は朝食を準備している様子。ちなみに親父はもう仕事で家を出ているので、この家にはいない。
そして思う。やはりお袋もダイキチーナのことに違和感を持っていないようだ。
それから俺と彩花ちゃん、沙也加ちゃんが立ち上がって台所に向かうときだった。2階から恵ちゃんが降りて来たのだ。
そして朝の挨拶を交わすと恵ちゃんも台所へと向かう。
「なあ、ちょっといいか?」
「なんですかっ?」
「俺はダイキチーナになっていて、その存在が家族として認められているのはわかった。で、本当の俺の存在はどうなっているんだ?」
俺が小声で尋ねる。すると恵ちゃんは得意げな顔になる。
「大吉さんは最初から存在していないことになっているのですっ。そしてこの家の子供は私とダイキチーナちゃんの2人娘として認識されていますっ」
「マジか……!?」
「大マジですっ。……どうです? 私の神力の威力がわかりましたかっ?」
多少、ドヤ顔になっているのは気に入らないが、その神力の威力はまざまざと知らされたのだ。
……まあ、考えてみればそもそも俺が入学することになった神武高校の女子生徒たちを近隣の美少女に差し替えたりしていた訳だし、これくらいなら出来て当然かもしれないな。
それから俺たちは朝食を摂った。
いつもながらのお袋の味だ。それを俺、恵ちゃん、彩花ちゃん、沙也加ちゃんと満足して食べ終えるのであった。
「今日は、みなさん、どうするんですっ?」
食後の後である。
恵ちゃんが俺たちにそう尋ねてきた。つまりはなにをして過ごすのかということだろう。
「私は街に出たいかな。買い物とかもしたいし」
「そうだね。せっかく女4人が揃っているんだから、楽しいかもね」
従姉妹姉妹はそう提案してきた。
その顔は笑顔で確かに楽しみにしているのがわかる。なのでそれを無駄にさせないように俺は肯定の返事をするのであった。
「わ、私はいいわよ」
「いいですねっ。楽しみですっ」
恵ちゃんも賛成の意見を述べた。これで俺たちの今日の予定は決まった。ちなみにお袋は用事があるとのことで不参加となり、美少女4人で駅へと向かうのであった。
ちゃんと認識されていたのです。(`・ω・´)∩
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