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446話 どちらかの誘惑なのです。

基本二日置きの更新(18時)とさせて頂きます。

どうぞよろしくお願いいたします。

 

「恋占協会のことは時が来れば大吉さんに案内しますねっ」




 そんなことを恵ちゃんは言うのだが、俺には厄介事としか思えない。

 が、善意で言ってくれているのはわかるので、曖昧に頷くのであった。そして話は終りとなり、賑やかになっている居間の声が聞こえてきたので俺たちは戻ることにしたのであった。




 ■




 そして夜中近く。

 俺は自室へとひとりで戻っていた。なんか実家に帰ってからずっと誰かといっしょだったので、やっと落ち着いた感じだ。




 そして俺は改めて部屋の中を見回す。

 ここで暮らしていたときに比べてずいぶんとすっきりとしていた。テレビもなく、ゲーム機もなく、そしてパソコンもない。それらはすべて俺が神武寮の部屋に持ち去ってしまったからだ。

 なので俺はがらんとした自室ですることがない。なのでベッドにごろりと横になるのであった。




 ……スマホでゲームでもするか。




 俺はスマホでもゲームはするが、どちらかと言うとテレビに繋いだゲーム専用機やパソコンでのプレイが好みだ。

 スマホはいつでもどこでもプレイできるのが魅力だが、やはり画面の小ささが気になる。やはりでかい画面の方が楽しいのだ。




 だが、今はそんなことも言ってられない。なので俺は久々にスマホでのゲームに取り掛かる。どれにしようか迷ったが、寝るまでの暇つぶしなのでパズルゲームを楽しむことにした。

 ……そして夜も更けきった頃だった。




 浅い眠りだったのか、俺は物音に気づいて目を覚ます。どうやら部屋の明かりは点けっぱなしにしてしまったようだ。時計を見ると深夜の1時だった。




 ――コン、コン、コン。




 控え目なノックの音だ。どうやら俺に部屋のドアを叩いている誰かがいるようだ。そのことで未だ夢現な状態だった俺はすっかりと覚醒した。そして立ち上がりドアへと向かう。



 ……いったい、こんな夜中に誰だ? 恵ちゃんか?




「はい。……誰でしょう?」




 時間が時間なのだ。俺は小声でドアの向こうにいる人物に話しかける。するとすぐに返事があった。




「……私よ」




 女性なのはわかった。だが、女性は大勢いる。しかしこの声の感じからして恵ちゃんではないようだ。

 俺はわずかにドアを開けた。するとそこには、俺にはどっちがどっちか区別がつかない女性が立っていた。その格好はネグリジェと言うとても妖艶な格好であった。




 だが各部が透けて見える程には生地は薄くないようで身体のラインがわかる程度だが、その真紅の装いに俺は目が釘付けになってしまう。

 ……いくら従姉妹と言えども、相手は若くて綺麗な女性なのだ。男の本能はまったく罪だ。

 しかしいくらなんでも、ずっと見続けているのはマズイだろうと我を取り戻した俺は視線を上げて顔を取り繕って口を開くのであった。




「えっと。……どっち?」




 すると、そのどっちかは怪しげな笑みを浮かべる。妖艶な笑みってヤツだ。

 俺は思わず仰け反ってしまう。従姉妹のこんな表情は初めてだ。




「どっちだと思う?」




「……正直に言う。……わからない」




 すると従姉妹は、ふっ、寂しそうな顔を一瞬見せた。




「……まあ、仕方ないわよね。私たちもそれを売りにしているんだから。……入るわよ」



 そして俺の返事を待たず、ネグリジェ姿の従姉妹は俺の部屋に入って来た。そして俺の手を取ってベッドに並んで座らせるのであった。




 そこで俺は思わず視線をネグリジェ姿に向けてしまう。

 スタイルが良いのがわかる。細くて真っ白な腕、決して巨乳ではないが、しっかりと質感を感じさせる胸、折れそうなほどくびれた細い腰、そしてスラッと伸びた細い両足……。



 ……うぐぐ。




 俺は理性をこらえるので必死になる。

 この従姉妹のどちらかがなんの目的で訪れたのかがわからないからだ。だが、その艶姿からなんとなくの想像はつくが、それでもいきなり過ぎるし……。




 ……あ、……これ、神力じゃないか。




 そう思った瞬間、俺は冷静になれた。

 そうなのだ。人間は学習するのだ。今までも恵ちゃんの神力でクラスメートの澤井(さわい)遙香(はるか)さんや河合(かわい)香菜(かな)さんが、こういう展開をしてきたことを思い出したのだ。

どっちかわからいのです。(`・ω・´)∩


 


よろしければなのですが、評価などしてくださると嬉しいです。



私の別作品


「師匠を追いかけて_~転倒魔法しか使えません~」連載中


「生忌物倶楽部」連載中



「夢見るように夢見たい」完結済み


「四季の四姉妹、そしてぼくの関わり方。」完結済み


「固茹卵は南洋でもマヨネーズによく似合う」完結済み


「甚だ不本意ながら女人と暮らすことに相成りました」完結済み


「墓場でdabada」完結済み 


「甚だ遺憾ながら、ぼくたちは彼の地へ飛ばされることに相成りました」完結済み


「使命ある異形たちには深い森が相応しい」完結済み


「空から来たりて杖を振る」完結済み


「その身にまとうは鬼子姫神」完結済み


「こころのこりエンドレス」完結済み


「沈黙のシスターとその戒律」完結済み



 も、よろしくお願いいたします。

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