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435/530

435話 エラー・ヒューマンの特徴なのです。

基本二日置きの更新(18時)とさせて頂きます。

どうぞよろしくお願いいたします。

 

「とにかく俺も試してみるぞ」




 俺は”賢者の斧”を振り上げて1体のエラー・ヒューマンの頭に叩きつける。するとエラー・ヒューマンは大きく仰け反って後方へとぶっ飛んだのだ。そして倒れると光の粒になり、大量の銀貨を残して消滅してしまった。




「……どうしたんだ? ……斧は効いたぞ」




「お見事ですっ。一撃でしたねっ」




「どういうことかしら? ……ねえ、ダイキチ。他のエラー・ヒューマンたちにも攻撃してくれる?」




 ロキからそう言われたので俺は頷くと残りの4体のエラー・ヒューマンに次々と斧を叩きつけた。




「やっ。このっ。えいっ。とおっ」




 すると俺の一撃を受けたエラー・ヒューマンは最初の1体と同じように後ろにぶっ飛んで消滅するのであった。




「……これは、どういうことなんでしょうかっ?」




「あれだな。……物理攻撃が有効な魔物なんだろうな」




「なるほどね。……つまり攻撃魔法は無効。麻痺魔法などの支援魔法は有効。そして物理攻撃には滅法弱いってことね」




 ロキの言葉に俺は頷いた。見るとメグミも納得したようだ。

 そうなのだ。このエラー・ヒューマンという魔物は攻撃魔法にはめちゃくちゃ強いが物理攻撃には驚くほど脆いってことだ。




 こうして俺たちに託された討伐依頼は完了したのであった。

 そこでである。

 ここはイチバーンメの村からはそれなりに離れた場所だったのだ。




「……討伐完了の報告をしないとな」




「ええっ! ……つまり村まで戻る必要があるんですねっ」




「正直めんどいわね。……歩いて村まで戻るのよね? ……なにか乗り物とかないのかしら?」




 そうなのである。

 ゲーム中盤以降であれば乗り物に乗って移動は可能であるし、転移門なんてのも存在する。だが今はまだまだゲーム序盤なのである。なのでそんな便利はものはまだ登場しない。俺はそのことを2人に伝えた。

 メグミとロキは、えーっ、と、不満の声を上げたが、ないものはないのだ。なので渋々今来た道を戻るのを承諾するのであった。




 そして俺たちは歩いた。

 元来た街道をただひたすら歩く。まあ、景色は悪くないし、寒くも暑くもないので快適と言えば快適なのだが、とにかくヒマだった。




「なんか退屈ですねっ」




「そうね。どうせなら魔物でも現れてくれればいいのに」




「おい。それはフラグと言うんだぞ」




 そうなのだ。

 なになにだったらいいのに、とか、これが終わったらあれをするぞ、とかを口にすると良くないことが起こるのが常なのだ。

 で、だ。

 ロキが軽々しく口にしたフラグはやはり成立してしまうのであった。




 突然だった。

 左の森から街道を塞ぐ形でなにかが通せんぼしていた。高さは俺の背丈ぐらいもある。そして右側は背の高い草原の中へ入って姿を消していた。




「……これって、もしかしたらヘビの胴体じゃないですかっ!」




「そうね。大蛇ね。相当大きいわね」




 そうだった。

 俺たちの眼の前で街道を塞いでいるのは、どう見ても巨大な蛇の胴体だった。きっと頭は草原の中にあって、尻尾が森にあるのだろう。

 そう思っていたら正解だった。大蛇の胴体は右へ右へと移動していたのだ。




「ちょっと確かめるぞ」




 俺は飛び出すように駆けると巨大な蛇の胴体に手を触れるのであった。もちろん鑑定するためだ。

物理攻撃が有効なのです。(`・ω・´)∩


 


よろしければなのですが、評価などしてくださると嬉しいです。



私の別作品


「勇者パーティを追いかけて_~転倒魔法しか使えません~」連載中


「生忌物倶楽部」連載中



「夢見るように夢見たい」完結済み


「四季の四姉妹、そしてぼくの関わり方。」完結済み


「固茹卵は南洋でもマヨネーズによく似合う」完結済み


「甚だ不本意ながら女人と暮らすことに相成りました」完結済み


「墓場でdabada」完結済み 


「甚だ遺憾ながら、ぼくたちは彼の地へ飛ばされることに相成りました」完結済み


「使命ある異形たちには深い森が相応しい」完結済み


「空から来たりて杖を振る」完結済み


「その身にまとうは鬼子姫神」完結済み


「こころのこりエンドレス」完結済み


「沈黙のシスターとその戒律」完結済み



 も、よろしくお願いいたします。


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