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434話 エラー・ヒューマンという魔物なのです。

基本二日置きの更新(18時)とさせて頂きます。

どうぞよろしくお願いいたします。


 

「敵ですよねっ。敵で間違いないんですよねっ」




「そうね。少なくとも友好的には見えないわ」




「ほぼほぼ間違いなく、村人が目撃した二足歩行の魔物はこいつらだろう。……ちょっと鑑定がしたいからロキは麻痺魔法を使ってくれないか?」




「いいわよ。――ほいっ」




 ロキの麻痺魔法が瞬時に展開された。

 すると全力疾走していた全身銀色の連中は駆け足の態勢のまま停止した。効き目は抜群のようで首も腕も足も動かせない状態になっていた。




 俺はちょっと警戒しながらも、銀色の1体に近寄りその腕に触れた。すると目の前に画面が表示される。




「……魔物で間違いない。ん? 『エラー・ヒューマン』って名前だな。なんか変な名前だ。……なになに? 人間だけを襲う魔物。武器は特にないが両手でひたすら殴りかかってきて、相手が死ぬまで攻撃を止めない。……なかなかに物騒な連中だな」




「エラー・ヒューマンって魔物、初めて見ましたよっ」




「そうね。……ねえ、これって人間の失敗作ってことかしら?」




「ん? どういうことだ?」




 俺が尋ねるとロキが自分の考えを説明してくれた。

 このゲーム世界で住民であるNPCを創った際に、なにかしらの手違いやミスで人間として完成できなかったものがこれじゃないかと言うのだ。




「あり得ますねっ。エラー・ヒューマンって名前からして、それって説得力ありますよっ」




「そうだな。人間の出来損ないか。……確かに知能も低そうだしな。ゲーム世界を創るときに”消去”し忘れたか、それともついでだから魔物として存在させようと思ったのか。……この世界を創った者に聞いてみたい案件だな」




 今まで登場した魔物はスライム、イノシシ系、クマ系とファンタジーゲーム世界では定番のものであった。

 だが、こいつは違う。

 なんか異物が混入したようなイメージで欧州中世ファンタジーの世界観にマッチしないのだ。




「で、どうしますっ? 私がちゃっちゃと倒しちゃいましょうかっ?」




「倒すなら私にも分けてね。倒すの楽しいから」




「そうだな。じゃあ、メグミとロキは2体ずつで俺が1体を倒すのでどうだ?」




 この俺の提案は賛成された。

 なので俺は鑑定したエラー・ヒューマンを倒すことにした。




「では、いきますっ。――ほにゃらっ」




「行くわよ。――ほいっ」




 メグミとロキがほぼ同時に神力魔法を放った。

 メグミは雷光の玉から2つに分裂して発射された稲妻は2体のエラー・ヒューマンに直撃し目が眩むほどの稲光が全身を包む。




 そしてロキは紅蓮の炎の玉を現出させた。それは俺の背丈ほどもある。そしてロキが指差すと2個に炎の玉は分裂し、やはりエラー・ヒューマン2体に直撃し全身が炎に包まれるのがわかるのであった。




 ……ところがである。

 雷光と炎が収まった後、ほぼ無傷のエラー・ヒューマンたちが立っていたのだ。あれほどの攻撃魔法が命中したのにあり得ない結果であった。




「なぜでしょうっ。雷の魔法が効きませんっ」




「炎の魔法もよ。いったいどういうことかしら……!?」




 そうなのだ。

 多少の焦げ跡なんかはあるのだが、4体のエラー・ヒューマンたちは攻撃を喰らう前とまったく同じ姿勢で立っている。

 これはダメージが入らなかったということだろう。

 ……だが、気がついたことがあった。




「でも、麻痺の魔法は効いてるんだよな……」




 そうなのである。

 雷や炎の攻撃魔法は効かないのに、麻痺だけはちゃんと効果を発揮しいるのだ。その証拠にヤツらは一歩も動けないで静止しているのであった。


謎多い敵なのです。(`・ω・´)∩


 


よろしければなのですが、評価などしてくださると嬉しいです。



私の別作品


「勇者パーティを追いかけて_~転倒魔法しか使えません~」連載中


「生忌物倶楽部」連載中



「夢見るように夢見たい」完結済み


「四季の四姉妹、そしてぼくの関わり方。」完結済み


「固茹卵は南洋でもマヨネーズによく似合う」完結済み


「甚だ不本意ながら女人と暮らすことに相成りました」完結済み


「墓場でdabada」完結済み 


「甚だ遺憾ながら、ぼくたちは彼の地へ飛ばされることに相成りました」完結済み


「使命ある異形たちには深い森が相応しい」完結済み


「空から来たりて杖を振る」完結済み


「その身にまとうは鬼子姫神」完結済み


「こころのこりエンドレス」完結済み


「沈黙のシスターとその戒律」完結済み



 も、よろしくお願いいたします。

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