426話 村の調査でわかったのです。
更新時期を変更いたします。
基本二日置きの更新(18時)とさせて頂きます。
どうぞよろしくお願いいたします。
「俺たちはまだ村全体を見ていない。店なども覗いてみたいし、村人からなにか補足情報なんかも得られるかもしれないしな」
するとメグミとロキが首を傾げる。なんかわかっていないって表情だ。
「それはいいのですが、……それが嫁探しと関係あるんでしょうかっ」
「そうね。村を見るのは賛成だけど、イベントクリアとどう結びつくのかが不明ね」
「ああ。確かに今は嫁探しイベントの解決策なんか一切わかっていない。だからこそ村の現状を確かめるんだ」
すると2人は納得はいかない様子だったが反対はしなかった。なので俺はメグミとロキを引き連れて村を巡る。
村は広場を中心に作られていて屋台がいくつか見られた。そして歩き回る村人たちを順番に話しかけたりした。
するとわかったことがいくつかあった。まず”おつかいイベント”の1つ目に関することだ。王都に向かう街道で魔物を見かけた男がいた。それは村の農夫で作業の途中で姿を見たとのことだ。遠くだったのではっきりと視認できた訳ではないが、二足歩行の魔物が数匹いたそうだ。
そして”おつかいイベント”の3つ目の行方不明のライラの件だ。捜索隊は昨日に出したらしいが空振りで帰って来てしまったことだ。村人たちは強くはないので、魔物が出る山中に長居はできなかったらしい。
そんなこんなをしているうちに村を一周してしまった。村の範囲はかなり広いのだが家屋が集中している箇所が少ないので見て回る場所がないのだ。
空き地はあちこちにあるのだが開拓されていないのがわかる。
そして店を覗いてみる。
店は2件あった。ひとつは武具の店だがめぼしいアイテムはなかった。そしてもうひとつの店は野菜と果実を中心に売っていた。
「果物はいいですねっ」
「そうね。手軽に食べられるしまとめ買いしておきましょう」
そう言ってメグミとロキはリンゴや梨、柿など季節関係なく並べられている果物をごそっとまとめ買いして店主の男に銀貨を支払っていた。
俺は果物に好みは特にないことから口を挟まず黙って待っていた。
そして俺たちは村に1件だけある宿屋に向かうことにした。頼めば村長宅に泊めてもらえるかもしれないが、余計な気を使うので宿屋にしたのだ。金ならかなりあるからな。
その道中だった。
俺は改めて村の中を見回す。目的があるのかないのかNPCの村人たちはあちこち歩き回っているのがわかる。
「なあ、……気がついたか?」
「なにをですかっ?」
「なにか特徴的なものってあったかしら?」
どうやら気づいたのは俺だけのようだ。たぶん買い物に夢中で”嫁探し”のイベントをすっかり忘れているようだ。
なので足を止めて2人に向き直って説明した。
「……女が少ない。特に若い女性はほとんど見かけない」
「そう言えばそうですねっ。男の人はたくさん見ましたけど、女の人は少なかったですっ」
「言われてみれば。……確かに若い女性は見かけなかったわね」
そうなのだ。
村で見かける人々はそのほとんどが男性。特に若い男性を多く見かけた。だが年齢的に釣り合う若い女性は少なかったのだ。
「……なるほどですっ。これは子宝の女神としては見逃せないですねっ」
「確かに、嫁の成り手が少ないってのは本当だったのね」
そこで俺は自分の考えを述べることにした。村の面積が広いことに注目したのだ。
「今から村長の家に言って、嫁探しの解決策を伝えようと思っているんだが、いいか?」
若い女性がいないのです。(`・ω・´)∩
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私の別作品
「勇者パーティを追いかけて_~転倒魔法しか使えません~」連載中
「生忌物倶楽部」連載中
「夢見るように夢見たい」完結済み
「四季の四姉妹、そしてぼくの関わり方。」完結済み
「固茹卵は南洋でもマヨネーズによく似合う」完結済み
「甚だ不本意ながら女人と暮らすことに相成りました」完結済み
「墓場でdabada」完結済み
「甚だ遺憾ながら、ぼくたちは彼の地へ飛ばされることに相成りました」完結済み
「使命ある異形たちには深い森が相応しい」完結済み
「空から来たりて杖を振る」完結済み
「その身にまとうは鬼子姫神」完結済み
「こころのこりエンドレス」完結済み
「沈黙のシスターとその戒律」完結済み
も、よろしくお願いいたします。