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420話 旅立ちを告げられたのです。

基本一日置きの更新(18時)とさせて頂きます。

どうぞよろしくお願いいたします。


 

 そして俺とメグミは村の中央へと進む。ロキは長老の家にお呼ばれされてしまったので、今は俺とメグミの2人だけだ。




 村の中心は広場になっていて、子供たちが追いかけっこで遊んでいるのが見える。

 そこの外れに2人の中年女性が立っていた。




「ダイキチ。無事に帰ってきたんだね」

「メグミ。どうだったい?」




 それぞれが俺たちの母親のようだ。ちなみに俺の母親は小太りで肝っ玉母さんって感じで、メグミの母親は小柄で痩せて優しそうな女性だった。

 俺とメグミは2軒並んだ家々にそれぞれの母親と入って行くのであった。

 やはり俺とメグミが隣同士の幼馴染という設定は本当のようだった。




「ええっ! ……ダイキチは勇者だったのかい?」




「ああ。精霊の使徒様にそう告げられた」




 俺は精霊の祠であった話をする。ロキにそう告げられたのは事実だ。まあ、元々、このスピリット・クエストでは主人公が勇者ってのはデフォの設定だがな。

 すると俺の母親は顎に手をやり真剣な表情でしばらく考え込んでいた。




「……そういう運命ってことね。……今までお前の父さんは亡くなったと話していたけど、実は違う。……お前の父さんは先代の勇者の仲間として魔王討伐の旅に出たんだよ」




 おお、そういう設定になっているのか。

 俺の父親は勇者の仲間として旅に出た。それで何年も帰って来ないので死んだことにしていたのだとわかる。




「お前の父さんだけじゃない。メグミの父さんも同じなんだよ」




 なるほど。

 母親の説明によると、父親はこの辺り一帯では最強の戦士だったらしい。それで勇者にスカウトされて旅に同行したようだ。

 ……その最強の遺伝子は俺には伝わらなかったようだな。なんせ一匹のスライム相手を倒すのに10分もかかる最弱の戦士だからな。




「……精霊メロロロン様のお告げで勇者になったのだから、ダイキチたちはこれから王都に行って王様に謁見して、王様から魔王討伐の命を受けなければならないの。今日はもう遅いから明日の朝には旅立ちね」




 なんか母親としては、その息子の運命に対する態度が割り切り過ぎていると思うがゲームの設定だから仕方ないのだろう。

 なので俺は母親に勧められるまま夕食を摂り、早めに就寝するのであった。




 ■




 早朝。快晴だった。

 俺は家を出る。すると広場にはメグミとロキの姿がすでにあった。もう2人とも準備を整えて待っていたようだ。




「おはよう。遅くなったかな」




「大丈夫ですよっ。私もさっき家を出たばかりですっ」




「私もよ。長老があれこれ持っていけって、いろんなアイテムを分けてくれたわ」




 俺たちの格好は昨日のままだ。俺は村の青年の格好だし、メグミは町娘の姿だ。そしてロキはひだの多い純白の貫頭衣のままだった。

 ただ装備が違っていた。俺は”旅人の剣”のままだが、メグミは魔法使いらしく長い木製の杖を持っていたし、ロキも金属製の錫杖を手にしていた。




「お母さんがくれたのですっ」




「私は長老に渡された」




 なるほど。

 それで2人とも武器を持っている訳だ。もっとも2人とも武器なしでも十分に最強だったけどな。




「で、どうするんだ? このまま王都とやらに向かうのか?」




「それでもいいんですが、ちょっとお店に寄ってみませんかっ」




「それは賛成ね。店に行けば、この世界の物価もわかるわね」




 そうだった。

 俺たちは7000枚以上の銀貨をすでに持っている。だがこの銀貨の価値がわからないのだ。なので店で値段を見て物価を確かめてみるのは良さそうだ。

なんと父親は勇者パーティのメンバーだったのです。(`・ω・´)∩


 


よろしければなのですが、評価などしてくださると嬉しいです。



私の別作品


「勇者パーティを追いかけて_~転倒魔法しか使えません~」連載中


「生忌物倶楽部」連載中



「夢見るように夢見たい」完結済み


「四季の四姉妹、そしてぼくの関わり方。」完結済み


「固茹卵は南洋でもマヨネーズによく似合う」完結済み


「甚だ不本意ながら女人と暮らすことに相成りました」完結済み


「墓場でdabada」完結済み 


「甚だ遺憾ながら、ぼくたちは彼の地へ飛ばされることに相成りました」完結済み


「使命ある異形たちには深い森が相応しい」完結済み


「空から来たりて杖を振る」完結済み


「その身にまとうは鬼子姫神」完結済み


「こころのこりエンドレス」完結済み


「沈黙のシスターとその戒律」完結済み



 も、よろしくお願いいたします。

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