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413話 ゲーム世界。呂姫ちゃんも参戦なのです。

基本一日置きの更新(18時)とさせて頂きます。

どうぞよろしくお願いいたします。


 

「呂姫ちゃん、どうかしたのか?」




 すると呂姫ちゃんは考え顔のまま、俺を上目遣いで見上げる。……その顔を見て、俺は一瞬ドキッとさせられる。

 やはり呂姫ちゃんは美少女だ。それも超が付く。そんな少女が物憂げな表情で俺を見ているのだ。俺が狼狽えかけてしまったのも無理はないだろう。




「……いえ、ね。……ちょっと思い出しちゃったのよ。加茂くんと神子恵が言っていた卵ってなんだったのかしらって。……なんかずっと心の隅に引っかかっていたのよね」




 そうだった。

 俺たちは卵のことを知りたくて呂姫ちゃんに相談していたのだ。なのに結果をまだ説明していないのだ。

 そして呂姫ちゃんは呂姫ちゃんなりに、ずっと気になっていたらしい。




「ごめん。実はちょっとだけわかったんだ」




「あ、ごめんなさいっ。プールが楽し過ぎて、伝えるのを忘れていましたっ」




「そうだったの? で、なんだったのかしら?」




 俺と恵ちゃんは呂姫ちゃんに卵の件を説明した。


 1:混入犯は未だわかっていないこと。ただ効果はわかったこと。

 2:RPGゲーム『スピリット・クエスト』をプレイするときに罅が入り紫色に輝くこと。

 3:卵が光るとスピクエの世界の中に入ることが出来て、その中で現実としか思えないヴァーチャルなプレイができること。

 4:ただし厳密にスピクエの世界ではなく、世界観や設定が微妙に異なること。


 などである。




「……それで山井臥留子と遊戯秀子には連絡が未だにつかないと。そのことを考えるとその2人のどちらか、もしくは2人ともが犯人かもね」




 なるほど。

 理由はわからないが、もし臥留子ちゃんか秀子ちゃんが犯人だったら俺たちにいたずらを仕掛けたことになるのだから、わざと連絡してこない可能性があるな。

 まあ、それでも理由はわからないが……。




「プールを出て、みんな解散した後に私も加茂くんの部屋に行くわ。卵とゲーム世界を見てみたいもの」




「それは構わんが。呂姫ちゃんもゲーム世界に入れるかわからんぞ。初期設定では俺と恵ちゃんは同じ村の幼馴染で成人の儀式に向かうことになっているんだ。成人の儀式を迎えるのは俺と恵ちゃんだけだから、呂姫ちゃんの役割がないからゲームに登場できない可能性があるぞ」




 そうなのだ。

 俺と恵ちゃん。いや、ダイキチとメグミは、はじまりの村に住む同じ日に産まれた幼馴染で、今日16歳になって成人した。なので村には同い年の人物は存在しないのだ。

 そのことから呂姫ちゃんがゲームに参加したくても、演じられる配役がない可能性があるのだ。




「そうだったら、それでいいのよ。ただ見ているだけでもいいの」




「そういうことだったら、ウェルカムなのですっ」




 そして呂姫ちゃんが後で俺の部屋に来ることになったのだ。




 ■




 俺、恵ちゃん、呂姫ちゃん、澤井さん、河合さん、新井の6人はその後プールを出て、近くのカフェでお茶にした。

 昼食は澤井さんがサンドイッチを用意してくれていて、プールサイドで食べたから、ティータイムだけを楽しんだのだ。




「では、ごきげんよう」




「じゃあ、またね。……なにかあったら連絡するね」




「今日はありがとう。楽しかったよ」




 そう言って澤井さん、河合さん、新井は去って行った。

 そして俺、恵ちゃん、呂姫ちゃんの3人は俺が住む学校の男子寮である神武寮へと向かうのであった。

 くどいようだが神武寮は女人禁制だ。だが、女神たちは神力を使うので、なんのトラブルもなく簡単に出入りできてしまうのだ。




 そして俺の暮らす和室へ入る。

 丸い座卓。つまりはちゃぶ台が部屋の中央にあり、そこには買ったばかりの俺のゲーミングPCが置いてある。背後の机の上には卵が鎮座している。鶏のよりも大きくて楕円形で表面は白地に青い稲妻みたいな模様が入っているものだ。




「これが例のパソコンと卵なのね?」




 呂姫ちゃんはPCと卵を順々に観察するかのように眺めるのであった。




「じゃあ、ゲームを起動するぞ」




 俺がそう言うと、恵ちゃんと呂姫ちゃんは大きく頷くのであった。


呂姫ちゃんもゲーム世界へ行きたいのです。(`・ω・´)∩


 


よろしければなのですが、評価などしてくださると嬉しいです。



私の別作品


「勇者パーティを追いかけて_~転倒魔法しか使えません~」連載中


「生忌物倶楽部」連載中



「夢見るように夢見たい」完結済み


「四季の四姉妹、そしてぼくの関わり方。」完結済み


「固茹卵は南洋でもマヨネーズによく似合う」完結済み


「甚だ不本意ながら女人と暮らすことに相成りました」完結済み


「墓場でdabada」完結済み 


「甚だ遺憾ながら、ぼくたちは彼の地へ飛ばされることに相成りました」完結済み


「使命ある異形たちには深い森が相応しい」完結済み


「空から来たりて杖を振る」完結済み


「その身にまとうは鬼子姫神」完結済み


「こころのこりエンドレス」完結済み


「沈黙のシスターとその戒律」完結済み



 も、よろしくお願いいたします。

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