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411/512

411話 変態の出現なのです。

基本一日置きの更新(18時)とさせて頂きます。

どうぞよろしくお願いいたします。

 

 それからもチャラ男A、B、Cによるナンパは激しさを増した。澤井さんのその綺麗な黒髪に触れようとしたり、河合さんの真っ白な腕を取ろうとしたり、隠しもしない呂姫ちゃんの豊満な肉体を好色な目つきで遠慮なくジロジロ見たりしていたのだ。




「どうあってもナンパを止めないつもりね?」




「馬鹿な男たちですっ。ひどい目に遭わせますよっ」




 これは呂姫ちゃんと恵ちゃん、つまり女神2人の最後通告だった。

 だがチャラ男たちはギャハハ笑いをして、その危機にまったく気づいていないようだ。




「呂姫ちゃんっ。やっておしまいなさいっ」




「ちょっと、私に命令しないでよ。……まあ、するけど」




 恵ちゃんの指示に、そう返事した呂姫ちゃんが右手をまっすぐに上げた。その勢いで胸がタプンと揺れるのが見えた。一瞬、はみ出しちゃうかと思ったくらいの激しい揺れだった。

 これは事故だ。俺は悪いない。




 そして事態は起こった。

 ボフンと音がした。そしてチャラ男たちが真っ白い白煙に包まれて、その姿が見えなくなったのだ。そしてつかの間、風が吹いて、さあっと煙を払った。

 するとそこにはこの世のものとは思えないおぞましいモノが3人立っていたのだ。




「な、なんじゃこりゃ~……!」

「げ、女物の水着じゃね~かっ!」

「これ、マジにヤバイぞ!」




 そうなのだ。

 チャラ男たちは真っ白いビキニの水着姿になっていたのだ。

 たわわなど一切ない胸では上のビキニはダランと垂れ下がりただぶら下がっているだけでどことなく惨めさを感じさせる。

 そして問題は下だ。切れ込みがエグいビキニの下なので汚らしいモノがはみ出しそうになっているのだ。




 そしてチャラ男たちは慌てていた。

 突然の恥ずかしい格好に冷静さを完全に失ってしまって、慌てて上を右手で下を左手で隠して身悶えしているのだ。




「キャ~! 変態よぉ~。ここに変態がいるわ~っ!!」




 絶妙の絹を裂くような女性の悲鳴が上がった。呂姫ちゃんだった。身を捩り後方へと後退りながらの叫び声だ。

 俺はそれは演技だとわかった。呂姫ちゃんの神力でチャラ男たちはビキニ姿になったのだ。なのに怯えるのはおかしい。これは間違いなく自作自演だろう。




 だが、その悲鳴は効果があった。あちこちから大勢の人たちがここに集まって人垣が出来たのだ。




「本当だ。変態がいるぞ」

「男なのにキモいわね……」

「よく人前であんな格好ができるよな」




 集まった人々から遠慮ない言葉がチャラ男たちに浴びせられる。それに対してチャラ男たちは身を捩り少しでも水着を隠そうとしながら弁明を始める。




「ち、違う。俺たちは変態じゃない」

「そ、そうだ。気がついたらいつの間にかビキニになっていたんだ」

「そ、そんな目で俺たちを見るな」




 必死でそう訴えるのだが聞く耳を持つ者などひとりもいない。一目瞭然、百聞は一見にしかず。実際目の前で女性用ビキニ姿で立っているのだからチャラ男たちの言葉にはまったく説得力がない。

 なのでチャラ男たちは狼狽える狼狽える。いっそこのまま逃げればいいだろうにと俺は思ったのだが、事態は予想外の方向へと進むのであった。




「……わ、わかったぞ。お前が俺たちをこうしたんだな?」

「そ、そうか。右手を上げたのを見たぞ。なにか仕掛けがあるんだな?」

「そうか。……その金髪女が犯人か。よし、責任を取ってもらうぞ」




 なんとチャラ男たちは実力行使に出るつもりのようだ。互いに顔を見合わせて意思統一して頷くと両手を上げて呂姫ちゃんに襲いかかったのだ。




 推理は間違っていない。水着化させるのは呂姫ちゃんの得意技だ。だが、その後の行動がまずかった。女神相手に戦いを挑むなど馬鹿としか言いようがない。

 だが、この自棄のやん八の破れかぶれの行動は呂姫ちゃんはまったく予想していなかったようで、逃げようとして一瞬怯む表情を見せた。目に怯えが浮かんでいる。

 どう見ても下劣なチャラ男たちだ。呂姫ちゃんのビキニを奪い、全裸にひん剥いて恥をかかせようと企んでいるに違いない。




「これはまずいな……」




 俺は飲み物を乗せたトレーを新井に預けると呂姫ちゃんの元へとダッシュするのであった。

呂姫ちゃん、ピンチなのです。(`・ω・´)∩


 


よろしければなのですが、評価などしてくださると嬉しいです。



私の別作品


「勇者パーティを追いかけて_~転倒魔法しか使えません~」連載中


「生忌物倶楽部」連載中



「夢見るように夢見たい」完結済み


「四季の四姉妹、そしてぼくの関わり方。」完結済み


「固茹卵は南洋でもマヨネーズによく似合う」完結済み


「甚だ不本意ながら女人と暮らすことに相成りました」完結済み


「墓場でdabada」完結済み 


「甚だ遺憾ながら、ぼくたちは彼の地へ飛ばされることに相成りました」完結済み


「使命ある異形たちには深い森が相応しい」完結済み


「空から来たりて杖を振る」完結済み


「その身にまとうは鬼子姫神」完結済み


「こころのこりエンドレス」完結済み


「沈黙のシスターとその戒律」完結済み



 も、よろしくお願いいたします。

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