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402/512

402話 プールの開園時間なのです。

基本一日置きの更新(18時)とさせて頂きます。

どうぞよろしくお願いいたします。


 

「ごめ~ん。遅れたわね」




 そう言っていちばん最後に小走りでやって来たのは辻神呂姫ちゃんだった。

 呂姫ちゃんの格好もワンピース姿で色こそ澤井さんと違って黄色だが、麦わら帽子とサンダル姿と同じだった。同じ服装でも澤井さんは清楚に見えるのだが、呂姫ちゃんが着ると胸やお尻のボリュームがすごいので色気を激しく感じさせる。

 清楚と色気。

 どちらが好みかと問われればなのだが、正直、甲乙つけがたいとしか言いようがない。どっちも魅力的だからだ。




「呂姫ちゃん、遅いですよっ」




 恵ちゃんがそう言って詰め寄ると、呂姫ちゃんはテヘヘとべろを出す。まあ、テヘペロだ。




「水着を迷っちゃって時間がかかったのよ」




「それを言い訳と言うんですっ」




 恵ちゃんと呂姫ちゃんは本人たちに言わせると互いに天敵で仲が悪いと言っている。確かに子宝の女神と邪神なので相性は良くないのだろう。

 だが俺には本当は仲が良い2人がじゃれ合っているようにしか見えない。なんのかんのと言っても恵ちゃんも呂姫ちゃんもどっちも付き合いいいしな。




 それから俺たち6人。つまり俺、恵ちゃん、澤井さん、河合さん、新井、呂姫ちゃんは市民プールの門の前で開園を待つ。

 だが雑談をしていたので時間の経過は早い。あっと言う間に午前9時になって市民プールは営業を始めるのであった。

 その時点で俺たちの前にも後ろにもかなりの列ができていた。




 市民プールとの名称でわかると思われるがここは市という自治体が経営している。そして俺たちはここの住民ではない。東京を知っている人ならわかると思うが23区は特別区で区が一般的な市に該当する。

 そして俺たちは区民だ。なのでアウェーなのである。だから入れない訳ではなく、市民よりも割高な料金を払うことで入場ができるのだ。まあ、割高と言っても100円程度だが……。




 そもそもなぜ俺たちが隣の市のプールに来たかと言うと俺たちの暮らす区には、こういったプールがないからだ。

 なので、この市民プールには住民の市民だけじゃなく、隣接している他の区や市からの来場者も多いのだ。

 で、本当に来場者が多かった。




 俺たちは受付を済ませると建物の奥に進む。そして男女に分かれる。もちろん更衣室が違うからだ。

 美少女たちとのいっときの別れである。が、その後にお楽しみの水着姿を拝めるのだから我慢のしがいがあると言うものだ。




「……げ。更衣室も込んでるな」




「そうだね。……あ、あっちのコインロッカーが空いてるよ」




 更衣室も込んでいた。まあ、当然、全員が目的が同じで水着に着替えるのだから、当たり前と言えば当たり前だろう。

 だが、いるのが男たちだけなので、このむさ苦しさは耐え難きを忍びである。


 そして新井が指差す方向のコインロッカーには確かに横並びで空きがあった。なので俺と新井は隣同士のロッカーを選択すると、そこで着ている服を脱ぎ水着に着替えるのであった。

 そしてプールサイドで利用するためにバスタオルも持って行くことにする。そして俺たちは更衣室のプール方面の出口を潜り外に出るのであった。




 辺りを見回すと女性陣の姿はまだない。まあ、男より女の方が着替えに時間がかかるのは当然なので、俺たちはのんびりと待つことにした。

 青い空。ぽっかりと遠くに見える入道雲。そしてギラギラとした太陽光線。

 う~む、夏だな。




「お待たせなのですっ」




 恵ちゃんの声に振り返ると、そこには恵ちゃん、呂姫ちゃん、澤井さん、河合さんが立っていた。

 俺はなるべくイヤラシクない表情になるように顔に筋肉を引き締めながら、それとなく女の子たちを観察する。




 恵ちゃんの水着は……、やっぱりと思ってしまった紺色のスクール水着だった。この姿には以前にも見覚えがある。そしてご丁寧に胸には『1年2組 かみこ』とゼッケンまで付いている。個人情報の開示的にいいんだろうか……?

 恵ちゃんは小柄で胸もお尻もささやかだ。なのでこの格好が似合ってしまっている。あまりにも似合い過ぎてしまっているので、『1年2組』は高校生ではなくて中学生と間違われそうだ。




 そして俺にはロリ属性がないはずなので、堂々とした態度で接しているのだが、どうにも頬の筋肉が緩みそうになる。

 ……いかんいかん。

 これで笑みを浮かべてしまえばロリを認めたことになってしまう。なので俺は両手で軽く頬を張り、表情を引き締めるのであった。




「わあ、みなさん、素敵ですね」




 平凡の凡である新井が世辞を言う。そんな気の利いたこともできるのかと感心してしまいながらも、俺はまだ観察していない3人の美少女たちの方へと視線を動かすのであった。


人が多いのです。(`・ω・´)∩


 


よろしければなのですが、評価などしてくださると嬉しいです。



私の別作品


「勇者パーティを追いかけて_~転倒魔法しか使えません~」連載中


「生忌物倶楽部」連載中



「夢見るように夢見たい」完結済み


「四季の四姉妹、そしてぼくの関わり方。」完結済み


「固茹卵は南洋でもマヨネーズによく似合う」完結済み


「甚だ不本意ながら女人と暮らすことに相成りました」完結済み


「墓場でdabada」完結済み 


「甚だ遺憾ながら、ぼくたちは彼の地へ飛ばされることに相成りました」完結済み


「使命ある異形たちには深い森が相応しい」完結済み


「空から来たりて杖を振る」完結済み


「その身にまとうは鬼子姫神」完結済み


「こころのこりエンドレス」完結済み


「沈黙のシスターとその戒律」完結済み



 も、よろしくお願いいたします。

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