393話 情報が手に入らないのです。
基本一日置きの更新(18時)とさせて頂きます。
どうぞよろしくお願いいたします。
「あ。もしもしっ? 京太郎さんですかっ?」
相手が出たことで恵ちゃんが話しかける。すると聞き覚えある甲高い声の京太郎の声も聞こえてきた。だが用事があるのは恵ちゃんの方なので一方的に話しかける。内容はもちろんPCの箱に入っていた謎の卵の件だ。
今回の件で、いちばん事情から遠いのが眠京太郎だ。なんせヤツはダイキチーナのことすら知らない。なので説明だけで15分くらいかかっていた。
長い話かつ複雑に入り込んだ内容だが、京太郎は意外に頭が回るヤツのようで会話に着いてきた。
「……ごめん。ボクチン知らないよ~。やってないよ~。そんな卵、聞いたことないよ~。……だいいち、パソコンを買ったことも知らないのに卵を入れるなんてことできる訳ないでしょ~」
「そう言えばそうですねっ。ありがとうございますっ」
恵ちゃんはお礼を言って電話を切った。
まあ、元から眠京太郎は望み薄だ。ヤツの言う通り俺がPCを買ったことすら知らないのだから犯行をしようがないしな。
「結局わからなかったな……」
「そうですねっ。……でも、臥留子ちゃんと秀子ちゃんの返事をいちおう待ちますっ」
「だな」
俺たちは仕方なく神武寮へと戻るのであった。
途中、スーパーでおやつになりそうなスナック菓子とかを買っての帰宅であった。
それから俺たちは昼飯を食堂で済ませ、自室へと戻る。
そして俺はPCでゲームをプレイしようと電源ボタンに手を伸ばす。だが恵ちゃんが教科書やノート、タブレットを用意しだしたので、それに視線を送る。
「なにするんだ?」
「好きじゃないんですが、夏休みの宿題をしますっ」
「……だよな」
俺もわかっていたのだ。だが勉強は苦手だし好きじゃないので宿題はついつい後回しにしてしまっていたのだ。
だが俺はPCを片付け、恵ちゃんを見習って宿題をするのであった。
■
それから3時間くらい集中して宿題を続けた。
ところどころわからない部分があったが、三人集まれば文殊の知恵じゃないが、恵ちゃんと互いに考えたり教え合ったりをしたので割と効率よく進めることができた。
「そろそろ終わりにするか。さすがに集中力がなくなった」
「そうですねっ。お菓子でも食べましょうっ」
そしてさっき買ってきたスナック菓子の封を開ける。そして飲み物は我が家定番の麦茶だ。冷蔵庫に入れっぱなしなのでよく冷えている。
「お茶とお菓子は最高の組み合わせですねっ」
「そうだな」
そう返答しながら俺は部屋の隅に片付けたゲーミングPCを持ってくる。そして座卓の上に設置するのであった。
「卵のことを調べるのですかっ?」
恵ちゃんが机の上に戻した謎卵を見ながら尋ねてくる。
「いいや。卵のことはネットで調べたが、この件と似たようなものはまったくヒットしない。画像も確認したがこれと同じものは、まったく見つからなかったんだ」
「じゃあ、ゲームですかっ?」
「ああ。今度は別のゲームをプレイしてみる。……まあ、このPCのパフォーマンスの確認の意味合いもあるんだがな」
そして俺はインストールしてあった初めてやるゲームを起動させるのであった。それは一人称視点で銃を打ち合うFPSと言われるジャンルのものであった。
手がかりがないのです。(`・ω・´)∩
よろしければなのですが、評価などしてくださると嬉しいです。
私の別作品
「勇者パーティを追いかけて_~転倒魔法しか使えません~」連載中
「生忌物倶楽部」連載中
「夢見るように夢見たい」完結済み
「四季の四姉妹、そしてぼくの関わり方。」完結済み
「固茹卵は南洋でもマヨネーズによく似合う」完結済み
「甚だ不本意ながら女人と暮らすことに相成りました」完結済み
「墓場でdabada」完結済み
「甚だ遺憾ながら、ぼくたちは彼の地へ飛ばされることに相成りました」完結済み
「使命ある異形たちには深い森が相応しい」完結済み
「空から来たりて杖を振る」完結済み
「その身にまとうは鬼子姫神」完結済み
「こころのこりエンドレス」完結済み
「沈黙のシスターとその戒律」完結済み
も、よろしくお願いいたします。