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389話 謎の卵なのです。

基本一日置きの更新(18時)とさせて頂きます。

どうぞよろしくお願いいたします。

 

「……卵ですかっ?」




 なるほど。言われてみると確かに卵だ。鶏のよりも大きくて楕円形で表面は白地に青い稲妻みたいな模様が入っている。

 しかしいったいなんの卵だ? まるで見たことないものだ。




「……卵なのか? ……まあ、形からして卵型ではあるな」




 表面を指でなぞってみる。触感はひんやりとしていて、ちょっと指に引っかかるゴツゴツ感はある。

 う~ん。本物の生き物の卵なのか、それとも卵に模したグッズなのか判別ができない。どちらとも言える感じで区別がつけられないのだ。




「……どうして卵が入っていたんでしょうかっ?」




「……いや、俺にもわからないんだ」




 そうなのだ。

 卵型のアクセサリーなのかもしれないが、もちろんPCにそんなものは必要ない。そしてこのPCメーカーのイメージキャラクターにも卵は関係ないのだ。




「なにか説明書きに書かれてあるんじゃないですかっ?」




「お。なるほど」




 俺は豪華に施された分厚い表紙のマニュアルを捲る。すると内容物一覧表が載っていた。PC本体。電源ケーブル一式。マウス……などなどだ。イラストと文章で表示されている。……だが、そこに卵のことはまったく載っていなかった。




「ないぞ。卵に関する記述は一切ない」




「不思議ですねっ。……あ、そうですっ。インターネットという便利なものがあるじゃないですかっ」




「お。なるほど」




 俺は今日手にしたゲーミングPCでさっそく検索してみる。PCの機種名と卵をキーワードにした。

 ……だが、不明だった。もちろん機種名に関してはたくさんヒットしているのだが、そのどのページにも卵に関する記載はまったくなかったのだ。




「不思議ですねっ。未開封の箱だったんですよねっ?」




「ああ、間違いない。なので誰かが混入させたこともないだろう」




 俺と恵ちゃんは卵を代わる代わる手にしながら、いろんな可能性を述べ合っていた。だがまったく解決には至らない。




「……まあ、あって困る訳でもなしっ、なくて困るものでもなしっ、ですから、放って置いてもいいんじゃないですかっ」




「だな。じゃあ明日にでもお店に問い合わせてみるか」




 俺は机に隅に卵を置いた。ぐらつくので卵が入っていた化粧ポーチを下敷きにしてみるとちょうどよく固定されたのであった。




 それから俺は古い方のPCに入っている各種アプリケーションを新しいゲーミングPCにインストールする作業に追われた。

 そしてすべてが終わったときは深夜になっていた。

 見ると恵ちゃんはいつの間にか押入れの中で寝ていた。




「ふぁああ。眠い。俺も寝るか……」




 そして俺は布団を敷いて眠りにつくのであった。このとき俺は卵のことをすっかり忘れていたのであった。




 ■




「……きちさん……いきちさん……大吉さん……」




 俺は身体を揺すられて目を覚ました。揺すったのはもちろん恵ちゃんだ。どうやら慌てているようだ。俺は半分覚醒した状態の寝ぼけたまま恵ちゃんに返事をする。




「……な、なんだ? なんかあったのか?」




「大変ですっ。卵が変なのですっ」

よくわからない卵なのです。(`・ω・´)∩


 


よろしければなのですが、評価などしてくださると嬉しいです。



私の別作品


「勇者パーティを追いかけて_~転倒魔法しか使えません~」連載中


「生忌物倶楽部」連載中



「夢見るように夢見たい」完結済み


「四季の四姉妹、そしてぼくの関わり方。」完結済み


「固茹卵は南洋でもマヨネーズによく似合う」完結済み


「甚だ不本意ながら女人と暮らすことに相成りました」完結済み


「墓場でdabada」完結済み 


「甚だ遺憾ながら、ぼくたちは彼の地へ飛ばされることに相成りました」完結済み


「使命ある異形たちには深い森が相応しい」完結済み


「空から来たりて杖を振る」完結済み


「その身にまとうは鬼子姫神」完結済み


「こころのこりエンドレス」完結済み


「沈黙のシスターとその戒律」完結済み



 も、よろしくお願いいたします。

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