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382/512

382話 合体神力なのです。

基本一日置きの更新(18時)とさせて頂きます。

どうぞよろしくお願いいたします。

 

 今、俺たちの前に存在している物体は右側半分が太った身体の眠京太郎。そして左側半分が整った容姿の美少女だったのだ。

 ただ眠っているようで左右ともに目は閉じている。




「いよいよ化け物じみてきたな……」




「……マジン◯ーZの◯シュラ男爵みたいですっ」




 恵ちゃんが謎の人物名を挙げる。たぶん俺が産まれるずっと前にテレビか漫画に登場した人物なのだろう。容姿の状態からして悪の幹部ってとこだろうな。




「臥留子がどれだけすごいか実感できたわ」




「ふぉふぉふぉ。これまたすごいことになっておるのう」




「面目ない……」




 男女半身ずつの怪物を登場させてしまったことで秀子ちゃんはちょっと落ち込み気味だった。




「まあ、誰がやっても失敗だったんだから、落ち込む必要はないぞ」




「そうですっ。私も失敗しましたっ。身体は女体化しましたが頭は京太郎さんのままでしたっ」




「そうよ。私だって失敗したわ。頭は美少女だったけど身体が眠京太郎のままだったし……」




「ふぉふぉふぉ。儂も失敗したのう。女体化はしたが頭が2つになってしもうた」




「……そして、私は身体半分が女の子、半分が眠京太郎……」




 ……うーん。

 改めて考えてみると確かに失敗はしているんだが、完全なる失敗ではないんだよな。部分的とは言え女体化には成功している。

 これはなにかヒントにならないのか……?




「……なあ、思ったんだが以前、体育祭のときお前ら合同で神力使ってなかったか?」




「あ……。ありましたねっ? 確かミニマラソンで男女が混じったグループを女体化させるときだったと思いますっ」




「そう言えば、あったわね」




「ふぉふぉふぉ。思い出したぞう」




「……私は知らない」




 まあ、あのときは秀子ちゃんはいなかったしな。だが確かに共同作業で神力を使って上手く対応できたのだ。

 なら今回もなんとかなるんじゃないか?




「なら、4人で合体神力を使ってみたらどうだ?」




「あっ、なるほどっ、そうですねっ」




「試してみる価値はあるわね」




「ふぉふぉふぉ。いっちょやってみるかのう」




「なるほど。理解した」




 今、眼の前には半分が眠京太郎で半分が美少女の姿の物体が眠っている。それを4女神の合体神力で完全女体化させてみようってことだ。

 女体化が得意な臥留子ちゃんならひとりで可能だが、ここにいる4女神は女体化が苦手。なら力を合わせて女体化の神力を発動させれば、ひょっとして可能なんじゃないかと思ったので提案してみた訳だ。




「なら作戦会議ですっ。みなさん集まってくださいっ」




 恵ちゃんの提案で4女神が輪を作る。そしてなにやら相談を始めたのだ。




「……いきなり全裸だと段取りが悪いですっ」




「そうね。まずはビキニ姿にしようかしら」




「ふぉふぉふぉ。そうじゃのう。半裸にはしないと寒さで目を覚まさないしのう」




「概ね合意」




 どうやら会議は終了したようで、4女神たちが全員深く頷くのが見えた。

 そして4女神が横一列に並んで両手を前に伸ばす。




「じゃあ、行きますよっ!」




 恵ちゃんの合図で4女神が一斉に神力を発動させるのであった。


ひとりで駄目なら全員でやるのですっ。(`・ω・´)∩



 


よろしければなのですが、評価などしてくださると嬉しいです。



私の別作品


「勇者パーティを追いかけて_~転倒魔法しか使えません~」連載中


「生忌物倶楽部」連載中



「夢見るように夢見たい」完結済み


「四季の四姉妹、そしてぼくの関わり方。」完結済み


「固茹卵は南洋でもマヨネーズによく似合う」完結済み


「甚だ不本意ながら女人と暮らすことに相成りました」完結済み


「墓場でdabada」完結済み 


「甚だ遺憾ながら、ぼくたちは彼の地へ飛ばされることに相成りました」完結済み


「使命ある異形たちには深い森が相応しい」完結済み


「空から来たりて杖を振る」完結済み


「その身にまとうは鬼子姫神」完結済み


「こころのこりエンドレス」完結済み


「沈黙のシスターとその戒律」完結済み



 も、よろしくお願いいたします。


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