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379話 眠ってしまったので起こすのです。

基本一日置きの更新(18時)とさせて頂きます。

どうぞよろしくお願いいたします。


 

 だがしかし、眠京太郎はなかなか起きない。いくら揺すっても叩いても、むにゃむにゃと呟きながら半分ほど目を開けるだけで、すぐにその瞼を閉じてしまうのだ。




「なかなか起きませんっ。なにかいいアイディアありませんかっ?」




「水でもかければ起きるんじゃねーか」




 俺は思ったことを口にした。

 だが周りには水道もないし、川なんかも見当たらない。




「……コップに水が入ってるわね」




「ふぉふぉふぉ。これでいいんじゃないかのう」




「実行」




 秀子ちゃんがコップの水を眠京太郎の頭にぶっかけた。ジャバッと一気にだ。

 だが、駄目だった。

 やはり目を開けるのだが、それも一瞬で閉じてしまうのだ。




「ああっ、そうですっ。私が神力で裸にしてしまうのはどうでしょうかっ。寒さを感じて目を覚ますかもしれませんっ」




 恵ちゃんがそう提案した。

 確かに全裸化させるのが恵ちゃんは得意だ。




「俺、……おぞましいのは見たくないぞ」




「そうね。私も見たくないわ」




「ふぉふぉふぉ。ノーサンキューじゃのう」




「汚物」




 そりゃそうだろう。

 男の裸なんぞ、俺は見たくない。しかもこんな醜悪な姿の男なのだ。見たら呪われるかもしれん。




「……こんなとき臥留子がいてくれたら良かったのに」




「ふぉふぉふぉ。そうじゃのう。以前、儂にしたように美少女化して全裸にすれば恥ずかしくて目を覚ますのう」




「確かにそう」




 そうだった。

 臥留子ちゃんは女体化の名人だ。神力であっという間に男性を美しい女性にしてしまえるのだ。もちろんその逆も得意だが、今ここで女性を男性にする必要はない。

 だが、そのとき俺はふと思い出したのだった。




「……そう言えば、恵ちゃんも女体化の神力自体は使えるって言ってなかったか?」




「……はい。可能かどうかと言われれば可能ですっ。でも得意じゃないのですっ」




「なら、やるだけやってみたら? 神子恵が駄目だったら私がやるし」




「ふぉふぉふぉ。呂姫が駄目なら儂がやるのう」




「その次は私」




 なるほど。

 得意じゃないってだけで女体化の神力自体は全員使えるようだ。ならなんとかなるかもしれない。

 そこまで言われたことで恵ちゃんは納得したようだ。




「じゃあ、まずは私がやってみますっ。えいっ」




 ボフンと音がして白煙が眠京太郎の全身を包んだ。煙の中の様子はまったくわからない。だが、徐々に煙が晴れてきて、うっすらとシルエットが見えた。




「ついでに全裸にさせちゃいますっ。これは得意ですっ」




 そうなのだ。

 着ている服をなくすのは恵ちゃんの得意中の得意なのだ。




「……クシュン。さ、寒いよ~」




 煙の中から眠京太郎の声がする。そして喋り方は元のままだが、声は女のものだった。どうやら一発で成功したようだ。




「やればできるじゃないか」




「えへへ、なんとかなったようですっ」




 やがてすっかりと煙が晴れた。

 そして顕になる女体化した京太郎。




「「「「「「……げげっ!」」」」」




 俺たち一同は、思わず叫んでしまったのだ。

起こすためにあれこれ試すのです。(`・ω・´)∩



 


よろしければなのですが、評価などしてくださると嬉しいです。



私の別作品


「勇者パーティを追いかけて_~転倒魔法しか使えません~」連載中


「生忌物倶楽部」連載中



「夢見るように夢見たい」完結済み


「四季の四姉妹、そしてぼくの関わり方。」完結済み


「固茹卵は南洋でもマヨネーズによく似合う」完結済み


「甚だ不本意ながら女人と暮らすことに相成りました」完結済み


「墓場でdabada」完結済み 


「甚だ遺憾ながら、ぼくたちは彼の地へ飛ばされることに相成りました」完結済み


「使命ある異形たちには深い森が相応しい」完結済み


「空から来たりて杖を振る」完結済み


「その身にまとうは鬼子姫神」完結済み


「こころのこりエンドレス」完結済み


「沈黙のシスターとその戒律」完結済み



 も、よろしくお願いいたします。

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