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370/513

370話 逃げる猫なのです。

今回はちょっと短いです。

基本一日置きの更新(18時)とさせて頂きます。

どうぞよろしくお願いいたします。

 

「どうするか。……奥の開きっぱなしの襖の向こうを調べるか?」




「……判断に迷いますねっ」




「ちょっと調べるくらいなら大丈夫じゃないかしら?」




「ふぉふぉふぉ。深入りせんなら」




「少しなら」




 俺たちはそう結論した。そして全員で開いている奥の襖の先を覗き込んだのだ。




「ああっ……! なにかいますよっ」




「逃げてるわね」




 そうなのだ。

 襖が次々と開かれて奥へ奥へと逃げるなにかがいるのだ。俺はそれをよく見ようと開け放たれていた襖に近づき奥を覗く。




 すると見えた。

 今、新たな襖を開けて更に奥へと逃げる者の姿が見えたのだ。




「……立ち上がった猫?」




「後ろ足だけで走る猫ですねっ。なにか抱えていますっ」




「四角い箱? 木製みたいね」




「ふぉふぉふぉ。あれは柱時計じゃのう」




「ボーンボーンと鳴ってる」




 そうなのだ。

 それはかなり特殊な三毛猫だった。二本足で黒を基調とした着物を着ており、大きな柱時計を抱えて逃走しているのだ。




 俺はそのファンタジーな姿に記憶が刺激される。

 そう。あれは昔見た子供向けのアニメ映画が思い出されたのだ。




「……不思議の国のアリスの兎を思い出したぞ」




「服を着ているのと時計を持って急いでいるところは同じですねっ」




 そうなのだ。

 ただし、アリスの兎は赤いジャケットに懐中時計だが、この猫は着物姿で柱時計の違いはあるんだが、急いで去っている部分は同じだ。




「私、なにかあの猫が今回のキーワードになっている気がするわ」




「ふぉふぉふぉ。そうじゃのう。儂らから逃げていると言うことが気になるのう」




「同意。あれを捕獲」




 俺は恵ちゃん、呂姫ちゃん、集子ちゃん、秀子ちゃんの顔を見る。すると全員が深く頷くのであった。

 つまりはあれを追えってことだ。




「じゃあ、計画変更でいいな?」




「もちろんですっ。あの猫を見失わないうちに追いかけましょうっ」




「決まりね」




 そして俺たちは一斉に走り出した。もちろん猫の逃げた方角だ。猫は襖を開けっ放しにして逃走しているので追うのは難しくない。

 そして隣の部屋を通過し、また隣の部屋を通り過ぎて追跡を始めるのであった。


走って逃げる猫なのです。(`・ω・´)∩



 


よろしければなのですが、評価などしてくださると嬉しいです。



私の別作品


「勇者パーティを追いかけて_~転倒魔法しか使えません~」連載中


「生忌物倶楽部」連載中



「夢見るように夢見たい」完結済み


「四季の四姉妹、そしてぼくの関わり方。」完結済み


「固茹卵は南洋でもマヨネーズによく似合う」完結済み


「甚だ不本意ながら女人と暮らすことに相成りました」完結済み


「墓場でdabada」完結済み 


「甚だ遺憾ながら、ぼくたちは彼の地へ飛ばされることに相成りました」完結済み


「使命ある異形たちには深い森が相応しい」完結済み


「空から来たりて杖を振る」完結済み


「その身にまとうは鬼子姫神」完結済み


「こころのこりエンドレス」完結済み


「沈黙のシスターとその戒律」完結済み



 も、よろしくお願いいたします。

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