表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
369/512

369話 誰かがいた証拠なのです。

基本一日置きの更新(18時)とさせて頂きます。

どうぞよろしくお願いいたします。


 

「こっちも誰もいないわ」




「ふぉふぉふぉ。奥と左右に襖はあるがのう」




「入室禁止」




 呂姫ちゃんたちから報告があった。どうやらあちらもハズレなようだ。

 なので俺たち5人は更に廊下を奥へと進むのであった。

 そして次に現れた襖の前で立ち止まる。襖はやはり廊下の左右の同じ位置にあった。




「じゃあ、次、開けるぞ」




「わかりましたっ」




 そして俺、恵ちゃん、呂姫ちゃんで右側の襖を開ける。だがそこも畳以外なにもなかった。そして目当ての男神もいない。




「またハズレね」




 呂姫ちゃんがため息混じりにそう呟く。

 すると背後の方から集子ちゃん、秀子ちゃんのムムムと唸るような声が聞こえてきた。




「いったいどうした?」




「なにかあったですかっ?」




「見つけたの?」




 俺と恵ちゃん、呂姫ちゃんがすぐさま集子ちゃんたちの方へと駆け寄る。そして襖が開けられた部屋を集子ちゃん、秀子ちゃん越しに覗く。

 すると今まで見た部屋にはない特徴があった。




「座卓と座布団があるな」




「湯呑み茶碗がありますっ。食べかけの茶菓子もですっ」




「奥の襖が開いているわね……」




 そうなのだ。

 そこには、座卓の上に、つい直前まで誰かがいた可能性がある置き土産が残っていたのだ。




「……調べてみるか?」




「……迷いますねっ。でも開けられている奥の襖の先が気になりますっ」




「……また、迷路状態になりたくはないけど……」




「ふぉふぉふぉ。せっかくの手掛かりじゃしのう」




「ちょっとだけ調査」




 俺たちは互いに全員の顔を確認した。そこには調査の必要ありの意思が浮かんでいたのだ。なので俺たちは頷き合うのであった。




「調べてみよう」




「そうですねっ」




 俺たちはまるで忍び込むかのように音を立てずに部屋へと入るのであった。そして湯呑みを調べるとまだかなり温かい。そして茶菓子は半分だけ食べたところで歯型が残っている。




「……どうやら、慌ててこの部屋から出て行ったようだな」




「そうですねっ。でも、どうしてでしょうっ?」




「きっと私たちが来たからよ」




「ふぉふぉふぉ。会話もしていた、物音も立てていたからのう」




「それに気づいて逃げた」




 なるほど。

 確かに俺たちはお構いもなく大きな声で会話をしていたし、足音も立てていた。なので俺たちの接近にいち早く気づいたのだろう。




「でも、なんで逃げるんだ?」




 そうなのだ。

 俺たちは危険な集団じゃない。別にのんびりと茶を啜っていればいいだけの話なのだ。なのに逃走したと言うことは、なにか後ろめたい理由があるのだろうな。

誰かがいた形跡が残されていたのです。(`・ω・´)∩



 


よろしければなのですが、評価などしてくださると嬉しいです。



私の別作品


「勇者パーティを追いかけて_~転倒魔法しか使えません~」連載中


「生忌物倶楽部」連載中



「夢見るように夢見たい」完結済み


「四季の四姉妹、そしてぼくの関わり方。」完結済み


「固茹卵は南洋でもマヨネーズによく似合う」完結済み


「甚だ不本意ながら女人と暮らすことに相成りました」完結済み


「墓場でdabada」完結済み 


「甚だ遺憾ながら、ぼくたちは彼の地へ飛ばされることに相成りました」完結済み


「使命ある異形たちには深い森が相応しい」完結済み


「空から来たりて杖を振る」完結済み


「その身にまとうは鬼子姫神」完結済み


「こころのこりエンドレス」完結済み


「沈黙のシスターとその戒律」完結済み



 も、よろしくお願いいたします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ