367話 原因は神力かもなのです。
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「なにか眠り続けてしまっている原因があるんじゃないか? それを考えてみる方がいいだろうが」
俺はとにかく提案した。
そうなのだ。起こしても起きないのにはなにか原因があるはずだ。
「……ああっ。以前に眠り病ってのを聞いたことがありますっ。それじゃないですかっ?」
恵ちゃんがそう発言する。そう言えばオカルト系の本でそんな病気のことが書いてあったような……。
確か何日も何日も眠り続けた人がいたらしい。現に臥留子ちゃんは眠り続けているし、それの可能性はどうなのだろう……。
「ナルコレプシー。つまり居眠り病のこと? それならこんな症状じゃないわよ」
意外に物知りの呂姫ちゃんがそう説明する。居眠り病は突発的に眠気が襲ってくる症状であって、声を掛けても揺すっても目を覚まさない病気ではないらしい。
「……だとすると原因はなんなんだ? どっかの神の神力とかはないのか?」
俺はふと思いついたことを口にした。
通常じゃ考えられないことを神力は可能にする。だから神力が原因じゃないかと言ってみたのだ。
すると、恵ちゃん、呂姫ちゃん、集子ちゃん、秀子ちゃんの表情が一瞬で変わった。動揺したかのように青ざめてしまったのだ。
「……も、もしかしたらですがっ……」
「……あり得ないことはないわよ」
「ふぉふぉふぉ。可能性はあるのう」
「それ最悪」
どうやら思い当たる節があるようだ。今ここにいる女神たちの表情からして彼女たちの犯行とは思えない。
だとすると……。
「……眠り神の仕業かもしれませんっ」
「げ。あいつ。……私、あいつ苦手なのよね」
「ふぉふぉふぉ。やつなら臥留子を眠らせることも可能じゃのう」
「同意。可能」
どうやら眠り神なんてのもいるらしい。まあ、八百万の神々なのだから、そういう神がいても不思議じゃないな。
「この屋敷のどこかにいるはずですっ」
「そうね。捜しましょう」
「ふぉふぉふぉ。面倒だが仕方ないのう」
「臥留子を起こす」
そういう訳で俺たちは眠ったままの臥留子ちゃんをそのままにして部屋を出た。すると延々と続く廊下が見える。奥は遥か先で霞んでよく見えない。
「ちなみにだが、その眠り神とはどういうヤツなんだ? 特徴とか教えてくれるとありがたいんだが」
俺がそう女神たちに尋ねると、恵ちゃん、呂姫ちゃん、集子ちゃん、秀子ちゃんは互いに顔を見合わせた。
「そうですねっ。まずは男の神ですっ」
「そして、きざなヤツね」
「男なのに長髪じゃのう」
「喋り方がキモい」
そう説明を受けた。なるほど男神なのか。今ここにいる神々は全員女性だから初の男神だ。……まあ、集子ちゃんは元ジジイだから男神ではあったが。今は女神なのでノーカウントだ。
原因がたぶんわかったのです。(`・ω・´)∩
よろしければなのですが、評価などしてくださると嬉しいです。
私の別作品
「勇者パーティを追いかけて_~転倒魔法しか使えません~」連載中
「生忌物倶楽部」連載中
「夢見るように夢見たい」完結済み
「四季の四姉妹、そしてぼくの関わり方。」完結済み
「固茹卵は南洋でもマヨネーズによく似合う」完結済み
「甚だ不本意ながら女人と暮らすことに相成りました」完結済み
「墓場でdabada」完結済み
「甚だ遺憾ながら、ぼくたちは彼の地へ飛ばされることに相成りました」完結済み
「使命ある異形たちには深い森が相応しい」完結済み
「空から来たりて杖を振る」完結済み
「その身にまとうは鬼子姫神」完結済み
「こころのこりエンドレス」完結済み
「沈黙のシスターとその戒律」完結済み
も、よろしくお願いいたします。